漢方薬局を訪れたとき、店内に次の掲示を見つけた。
自然治癒力を活性化するための五カ条 一、心の積極性を保つ 二、規則正しく生活する 三、腹八分目未満の栄養豊富な食 四、楽しみを追求する 五、自己肯定的、大らかな生き方をする
「なるほどなあ〜」と思い、スマホのシャッターを切った。 われわれ人間には、病気や怪我をしたとき、それを自分で治そうとする力が備わっていることは知っていた。 ところが、日頃はちょっとした風邪でも、薬に頼ってしまう。 もちろん、薬が悪いということではないが、せっかくの自然治癒力を大切にしたいと思うのである。 ただし、70歳になった身の上としては、自らの高齢による自然治癒力が、若い頃に比べて強いのか弱くなっているのかは、気になるところではある。
この五カ条を、今の自分にはどうなのかと置き換えて、振り返ってみることにした。
1.心の積極性を保つ
気が小さく・人間嫌いで・環境変化に弱い自分としては、この積極性に関してはその範囲が大きく限定されている。 新たなことに取り組むとき、ネガティブなことばかりに囚われ失敗したらどうしようと、心配性の気が小さい自分が嫌になることが多い。 その取り組むことが、自分だけではなく他人との共同作業だと、人間嫌いの自分としては途端に逃げ腰になることが多い。 さらに、取り組むことに環境の変化が伴うと、自己防衛本能が働き拒否反応を起こしてしまうことが多い。 したがって、「心の積極性」は自分にとって大きな課題といえる。
2.規則正しく生活する
この条件は、特に問題はないようである。 仕事は、若い頃のように徹夜したり休日返上で頑張ったりすることはなく、夜のセミナーや出張がなければ、自分で作った弁当を持参し・8時〜9時に出勤し・17時には退勤しているから、規則正しいものとなっている。 土日祝日は、出かける用事がなければ、好きな本を読み・簡単な料理をして・小一時間ほどウォーキングし・ゆったりと風呂に浸かり・録画しておいたTV番組を観ながら酒を呑む、というのが定番になっている。 その内容はともかくとして、規則正しいには違いない。
3.腹八分目未満の栄養豊富な食
身長は167.5cmで、体重52〜53kgを維持している。 血圧と痛風の薬は欠かせないが、3カ月に1度の血液検査では、栄養不良などには程遠い結果がいつものことである。 中性脂肪やコレステロールのこともあり、肉や脂は出来るだけ少なめにし、魚と豆腐を欠かさないで食べるようにしている。 呑み過ぎで肝機能が要注意であるが、酒だけはどうしてもやめられない。
4.楽しみを追求する
自分にとっての「楽しみ」はいくつかあるが、そのベースとなるのは独りでいることである。 その上で、本を読み・文章を書き・街道や廃村史跡などを歩いたりするのが、楽しみである。 私の場合、楽しみを「追求」することはあるが、あくまでも楽しみの範囲内であって、エキスパートを目指しているわけではないので、気楽なものである。 独りではないが、仲間と親交を深めるのも楽しみだ。
5.自己肯定的、大らかな生き方をする
「自己肯定的」これが難しい。 自分がしてきたことを振り返り、「あれは失敗だった」「あんなことして恥ずかしい」と、自らを責めグジグジとして止まない。 夜中に大きな声を上げて目覚め、グッショリ汗をかいたことは何度もある。 日常の中でも、恥ずかしかったことが急に頭をよぎり、「バカ」とか「クソッ」とか声を上げてしまうことがしょっちゅうである。 喜怒哀楽・・・・・・喜んだり・楽しかった過去を思い出すより、怒ったり・哀しかったり・恥ずかしかった過去を思い出すことの方が圧倒的に多い。 基本的に「自己否定的」なのだと思う。 したがって、「大らかな生き方」をしようにも出来ないのである。 そんな自分が恨めしい。
さて、以上のようにみてくると、自己採点で次のような結果になろうか。 1.心の積極性・・・・・・・30点 2.規則正しい生活・・・90点 3.腹八分栄養豊富・・・70点 4.楽しみ追及・・・・・・・90点 5.自己肯定大らか・・・30点 平均すると62点である。 自分にしては高得点が出たと驚いている。 80点以上なら安心と思うが、そんな人は果たしてどれだけいるのだろうか。
2022.12.9
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