■ 幸せの心的要因2020.11.20


日本経済新聞2020・11・4付の、「やさしい経済学」に書かれている「幸せ中心社会への転換D」(慶応義塾大学教授 前野隆司)を興味深く読んだ。
ここでは、我々人間はどんな人が幸せなのかについて解説している。
私なりに整理して紹介しよう。

1.「地位財」での幸福感は長続きしない。

カネ・モノ・地位などは、他人と比較することができ「地位財」と名付けられる。
これらによる幸福感は長続きしない傾向がある。
慣れや、より上を目指す効果によると考えられる。

私がしばらくお付き合いした、その男は30過ぎでした。
指2本を立て「これだけ(=2千万円)持っているんですよ」と、嬉しそうに自慢するような奴だった。
何かにつけ金払いが汚く、その露骨な人間性に嫌気がさし、付き合いを止めました。
人伝(ひとづて)に聞いたが、その後彼は会社を替わり海外勤務をしていたがここも辞め、結婚もしていないとのことである。

2.「非地位財」は幸福感が長続きする。

カネ・モノ・地位などと違い、他人と比較できない財を「非地位財」という。
この「非地位財」による幸福感は長続きする。
心的、社会的に良好な状態が影響するといわれる。

大して金がなくても、立派な家に住まなくても、会社では出世しなくても、楽しいわが家を築いていつも穏やかにしている人がいる。
彼はその地域社会では役員に推されるなど、なくてはならない人と思われている。

3.幸せの心的要因には4つある。

@「自己実現と成長の因子」

「やってみよう」と思う因子は、やりがい、強み、成長などに関係し幸福度が高い。
その反対にあるやらされ感や、やる気がないといった人は幸福度が低い。

やりたいことを持っていて、それに夢中になれる人は、幸せだろうと思わずにはいられない。
役所や会社勤めをしていても、給料の為と仕方なしに嫌々仕事をして毎日を生きていくのは堪らないはずだ。
少しでもやりがいを見つけ、毎日を有意義に生きている人は素敵だと思う。

A「つながりと感謝の因子」

これは「ありがとう因子」ともいえ、感謝する人は幸せである。
利他的で親切な人や、多様な友人を持つ人も幸せである。
逆に孤独感は幸福度を下げる。

家庭でも職場でも、自分がやったことを感謝されると嬉しいものだ。
感謝してくれた人に、感謝のお返しをしたいとまで思ってしまう。
私には、職場でもプライベートでも、ありがたいと感じている人がいる。
そんな感謝の気持ちが、逆に自分を幸せにしてくれているようだ。

B「前向きと楽観の因子」

「なんとかなる」と考える人、ポシティブかつ楽観的で細かいことを気にしすぎない人は幸せである。

私にはこれが出来ない。
「なんともならなかったらどうしよう」
些細なことをグジグジと考え、ネガティブに悲観的に、気にしすぎるほど気にしてしまうのである。
性分だから仕方がないとは思うものの、何とか治せないものかと諦めきれないでいる。
そんな自分が嫌で、自己嫌悪に落ち込むのが辛い。

C「独立と自分らしさの因子」

他人と自分を比べすぎる人は幸福度が低い。
「ありのままに」と考え、自分軸を持って我が道を行く人は幸せである。

正にその通り!
私は他人を気にせず、自分の価値観をもって自分を律し、自分の生き方を大切にする=自己実現が理想的と思っている。
これからどんなに生きても、あと10年ちょっとだろう。
その内元気でいられるのは、もっと少ないだろう。
我が道を大切に生きたいものと、意を強くせずにはいられない。

2020.11.20




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