■ スクラップブックから R後悔は付き物2020.5.31


私には、自分が生きていく上での信条として、反省はしても後悔はするな″というのがある。

何かをやって失敗したり、辛かったり、悔しかったり、情けなかったり、嫌な思いをしたり・・・することがある。
そんなとき必ず、「なんであんなことやったんだろう。やらなければよかった」と、グジグジして落ち込んでしまうことになる。
そんな自分が嫌でいやで仕方がない。

やってしまたことに、さらに、グジグジが階を重ねて自分を責め立てるものだから、挙げ句の果てに鬱状態に追い込まれてしまう。
こうなったら立ち直るまでに大変な目にあうことになる。
最悪としかいいようがない。

なんでそうなってしまうのか。
やったことを後悔(=あとになってくやむ)するからである。
後悔先に立たず″
まさに、「起ってしまってから後悔してもどうにもならない」のである。

後悔しても何の解決にもならない。
それよりも、反省(=自分の心やおこないをかえりみる)することだ。
このことに気付いたことで、どうにか自分が救われるようになった。

反省することで、「何故あんなことになったのだろう。こんどはこうしよう」と、今後の改善につながり、希望が開けてくるようになる。
そんな自分にちょっぴりでも自信が持ててくる。

済んだことに後悔などするな。
それよりも反省することだ。
反省することで後悔を打ち消すことができるのだ。

『福井新聞』2019.10.13付の1面コラム「越山若水」は、後悔について書いている。
ここでは、「やった後悔よりやらなかった後悔」に関して論じているが、この歳(68歳)になったからこそのテーマだと思う。
そして何より身に堪えるのだ。

「越山若水」2019.10.13付

 人間に後悔は付き物である。
それはどんなことですか?
と問われれば、誰しも間髪を入れず一つや二つは答えられるはず。
いや、思い当たることが多すぎて困惑するかもしれない。
▼米国の心理学者が大学生に後悔について質問してみた。
すると「試験で不注意なミスを犯した」「酔っぱらって羽目を外した」「車をぶつけてしまった」などの回答が目立った。
つまり自分が過去にやってしまったバカなこと、失敗した経験を挙げる傾向が強かった。
▼ところが同じ質問を老人ホームのお年寄りに実施してみた。
すると結果はどうだったか。
意外にも「世界中を旅行したかった」「サルサダンスを習っておけばよかった」「何か楽器を弾きたかった」など、学生とは対照的、過去にやらなかったことを後悔したという。
▼「やった後悔よりやらなかった後悔」。
人生経験が豊富なお年寄りが出した結論である。
そうと分かれば、自分に新しいチャンスが訪れたとき、しかしその判断に迷っているとき、どう行動すべきか答えは明白だろう(「この脳の謎、説明してください!」青士社)
▼新年度が4月にスタートして、早くも下半期に突入した。
半年間の反省を踏まえ、新たなチャレンジの時宜である。
何かを始めることに不安も多いが、前向きに取り組めば人生は充実する。
「やらぬ後悔」は避けるべし―。
先達のアドバイスである。

2020.5.31




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