■ スクラップブックから N決定版!勉強は何のため2020.5.27


この「スクラップブックから」シリーズの7回目で、「勉強は何のため」と題して、「覚える」だけが学びではない″と説く松木健一氏(福井大教職大学院教授)の記事を取り上げた。

ところが、この記事は私にしてみると、ズバリ!ストライクゾーンに決まる直球ではなかった。
では、なぜ取り上げたのかということだが、「勉強は何のためにするのか」というテーマに魅かれたからである。

すると、5月24日の『福井新聞』、「教育みち案内」のQ&Aでは、このテーマに直球ど真ん中で答えてくれているではないか。
読み終わると、胸の痞え(つかえ)が見事に消え去るのを覚えた。

これだったら、自分ばかりかだれもが納得できる回答ではないだろうか。
小・中・高・大と現役の児童・生徒・学生は、勉強に対して素直に臨むことができるはずだ。
勉強不足を実感している社会人は、切実に受けとめ、モチベーションアップになるはずだ。

Q&Aの回答者、大久保裕介氏には感謝の念を禁じえない。
みなさんもぜひ「勉強の意義」を再考してください。

「教育みち案内」
勉強は何のため
広く深く考える力付ける
  県高教組教育相談室元相談員 大久保裕介

[Q]中2の男子です。
小学生の頃から「勉強」「勉強」と言われて勉強してきましたが、このごろ、何のために勉強するのかと疑問に思うようになりました。
競争のための勉強が嫌になりました。

[A]@自分を広める
 私たちが勉強する第一の目的は、物事を広く深く考えられる人間になるためです。
勉強によってこそ、自分の世界が広くて深いものなるのです。
そして、高度に文明が発達した現代の社会においては、どのような仕事に就くにしても、その仕事を工夫して内容を発展させていくためには、一定の学力が必要になってきているのです。
 A種まき
 私は、勉強は「種まき」だと考えています。
 たくさんの種をまいても、使わない知識は忘れるかもしれません。
でも、これからのますます変化の激しい時代の中で、記憶に残ったエキスが元になって、興味・関心が生まれ、また新しい世界(人生)が開けてくることもしばしばあるはずです。
変化の激しい現代社会では、将来、どのような種が発芽してくるのかさえもわかりません。
 ですから、今は、いろんな種をバランスよくまいておくことが必要です。
多くの種をまいた人ほど未来に広い可能性を秘めているのです。
先生は種まく人なのです。
 B受験勉強も大切
 入学試験には『選抜する』という役割と、その後の学習を発展させるために必要な『学力を判定する』という役割があります。
 この『選抜』という側面だけをみると、受験勉強イコール競争ということになりますが、『学力』という側面を考えると、今後の学習や仕事を発展させるための基礎を自分の中に培っていることになります。
 実際に私の場合には、受験勉強が、その後の学習や仕事の基礎になってきました。
ですから、今後の学習や仕事の基礎として受験勉強は大切だと考えています。
 自分の進路や可能性を広げるために受験勉強も大切なのです。

2020.5.27




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