私には姉がおり、歩いて5分ほどのところに住んでいます。 両親も兄も亡くしているので、嬉しいことがあったり、辛いことや相談事があると、姉に聞いてもらいたくて訪ねることにしています。
ところが、自分が聞いて欲しいことの半分・・・、いや十分の一しか喋らせてもらえず、いつも中途半端な気分になってしまう。 姉が私の話を聞くよりも、自分の話をするのに夢中になり、ずるずると時間が経ってしまうからです。
そんな姉の様子を見ていると、自分のことを話し続けることが気持ちよくて、ストレス解消をしているとしか思えません。 だから、どれだけ話しても、姉の話にはこれといった内容はないのです。 私にしてみれば、何の生産性もなく何も残りませんから、過ぎていく時間がもったいない。 ましてや、相談事があっても何の解決もみなければ、空しいだけに終ってしまうのです。 ただ、他人の悪口は言わないのが救いではあります。
そんな私の悩みを、話を聞く方、話をする方、それぞれの立場から書いている切り抜きを、スクラップブックから見つけたので紹介したいと思います。 世の中には同じような悩みを持っている人がいて、なんだか嬉しく(?)なってしまうのは、私だけだろうか。
取り上げた切り抜きは、いずれも『日本経済新聞』土曜版「NIKKEIプラス1」からのものです。
@「マナーのツボ」 長話 柔らかく切り上げたい コミュニケーション塾主宰 今井登茂子
会話は相手と楽しく話が弾んでいるときは「長い」とは感じません。 しかし話が一方的だと「早く切り上げたい」と思うものです。 話が長いとレッテルを貼られている人は、大体が自分のことばかり話す人で、相手の話に耳を傾けるタイプは少なく思えます。 ですからその人につかまると、最初から逃げ腰になっているのですね。 問題はそこです。 「逃げたい」と思い始めると聞き方もつい上の空になり「うんうん」と消極的で曖昧に首を振るだけ。 ますます相手は「病院に行ったらね」などと独演会。 そのとき「急いでいるので」などいくらで言葉を選んでも、相手にとってはピシャリと戸を閉められた気分しか残らないで「なんだあいつは」になってしまう。 実は、この「ピシャリ」を和らげる方法は、積極的に聞くことなのです。 「なるほど、そうでしたか」「よく分かりました」などと共感の相づちを過去形で打つことがポイント。 「分かります」と現在形だともっと勢いに乗ってしまい、終らせるタイミングを逃がすので気をつけてください。 その上で「すみません、ちょっと時間が」と切り出しても、相手も「分かってくれたんだ」という気持ちで収めてくれるでしょう。 共感の相づち作戦で良い関係がキープできますように!
A「なやみのとびら」 話が長くてまとまらない まず箇条書き 脱線も味わい 回答者・脚本家 中園ミホ
(神奈川県・40代・女性) 会話にしても文章にしても、話が長くてまとまりません。 本題に入ったかと思うと別の話に飛び、本題に戻ったかと思うとまた別の話にという具合です。 子供からは「もう慣れたよ」とあきれられています。 頑張って短くまとめようとすると、肝心のことが抜けたりします。 分かりやすく簡潔にまとめるにはどうしたらいいでしょう。
(回答者) ドラマの脚本を書いていて、同じような経験があります。・・・ 話しがどんどん横にそれていってまとまらない。 そんなときは、シーンに盛り込みたいことを箇条書きにすることにしています。・・・ 先日、歌手のMISIAさんとお話しする機会があって、・・・作詞もすばらしいと思っていたので、どうやって書いているのか聞いてみたんです。 そうしたら、勢いで一気にできちゃうときもあるけれど、まとまらないときは箇条書きにするそうです。・・・ 相談者さんも試してみてはいかがでしょうか。 きょうご家族が帰宅したら、あれを話そう、これを話そうと、まず紙に書き出してみる。・・・ 毎日やっていれば、枝葉と幹が見極められるようになるはずです。 次の段階として起承転結があります。 これからこんな話をしますよ、実はこんなことがあって、こんな様子だから、私はこうしたほうがいいと思うよ、というように順序立てて話さなければ、家族同士でも説得力がありません。・・・ ※回答文は長いので神尾が要約しました。
2020.5.23
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