『日本経済新聞』土曜版「NIKKEIプラス1」には、「マナーのツボ」というシリーズもある。 これもまた考えさせられて、なかなか意義深いものがある。
私たちは日頃、身辺に起るありふれた出来事について、何気なく対応しているが、それが的外れだったり相手に伝わらなかったりして、恥をかいたり悔しい思いをしてしまうことが意外と多いものだ。 そんなさまざまなシーンについて、書き手はマナーの視点から、的確な答を与えようとしている。
そんな「マナーのツボ」の切り抜きも結構スクラップしているが、その中で今回紹介するのは、とても身近でしかも拍手を送りたくなるような事例が、書かれています。 私はこれを読んだとき、20代にしてなんと素敵な=カッコイイ女性がいたものかと、心の中の鐘が高らかに鳴り響いたものです。 そして、この国もまだまだ棄てたものではないと思ったのです。
「マナーのツボ」 電車で席を譲ったら怒られた 感情的にならず、気持ち伝える マナーデザイナー 岩下宣子
電車内で高齢の男性に席を譲ったら、 「冗談じゃない。私はまだ席を譲られるような年じゃない」 と怒られました。 あなたならどうしますか。 @何も言わず、その場を離れる Aせっかく席を譲ったのに失礼な人、と思って座り直す B「人の親切を無にするなんて、あなたは大人の男ではないですね」と言って座る。 これは実際にあった話です。 20代の女性が70歳くらいの男性に席を譲ったら、男性が怒った。 すると女性は 「申し訳ありません。目上の方と思ったもので、席をお譲りしないといけないと思ったまでです。よろしければおかけ願えませんでしょうか」 と言って、男性を座らせたのです。 びっくりポンです。 私が思うに、彼女は「大人」なのです。 「大人」はいつも自分を客観的に見ようとします。 だから感情的にならないのだと思います。 客観的に分析すると 「私は親切で席を譲ったけど彼は怒った。原因は私の行動。だからそれに対しては素直に謝る。それから自分の気持ちを伝えよう」 ということだと思います。 まずは冷静に分析して、それから相手の気持ちに寄り添いながら自分の気持ちを伝える。 それが結果的に事態を収拾したのです。 クレームの3原則は「逃げない・待たせない・ごまかさない」。 これは普段の人間関係にも当てはまります。 客観的に物事を見て思いやりの心で考えるなら、そんな悪い結果にはならないように思います。 私も彼女を見習い、明日から大人の女を目指します。
2020.5.22
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