前日に引き続き、漫画家黒鉄(くろがね)ヒロシのエッセイ集『まいにちクローガネ』(角川文庫)の中から、今回は2作紹介しよう。
「漢字読み間違いごっこ」は、1月12日に紹介した「危険な遊び」の続編である。 これにもダキハラゼットウ(抱腹絶倒)してしまった。 乞うゴキマチ(ご期待)!
「成人になられた皆様へ」は、昨日が1月15日だったから、成人の日に因み取り上げた。 私たちの頃は、この日が成人の日で国民の祝日になっていた。 いつの頃からか、1月の第2火曜日に変更され、今年は1月12日だった。
「漢字読み間違いごっこ」
前に紹介した、漢字読みの間違いごっこもかなり高度なものとなり、ストーリー性を持つに至った。 近作をひとつ。 「ム、あの尺八の音は・・・・・・忠助! 見て参れ!」 「ダンナ様! 見て参りました。なにやらあやしい男で、マガリモノかもしれませぬ」 「ナニ?」 「マガリモノ・・・・・・」 「アホ! クセ者と読むんじゃ! 曲者と! おまえじゃダメだ! ワシが見る! これ! その方! 当家の屋敷のまわりでナニをしておる!」 「わたくし全国ギョウキャク中のキョムソウにござります」 「そーれはアンギャ(行脚)中のコムソウ(虚無僧)というんだ! アホ!」 「わたくし学がないので、この程度の失敗は日常チャハンジ」 「茶飯事(さはんじ)!」 「口をひらけばこのように、次から次へ失言ばかり、もうキン輪際、漢字は口に」 「それはコンリンザイ!」 「やはりお武家様ともなると、やはり、学がある、ナガレイシ、ナガレイシ」 (注)流石さすが
「成人になられた皆様へ」
ま! 成人になられたの! ま! キレイ! (オセイジンという) ま! 成人になられたの! いよいよ御結婚ですわね。 いえ、しばらくは家事の手伝いを。 (カセイジンという) ヤクザだって、成人式ぐらいやるぜ。 (トセイジンという) 女手ひとつで、成人にしましたの、父親がわからないもので。 (シセイジンという) ほんとにねェ、この間の事故は九死に一生でしたわねェ、でも、こうして成人式がむかえられて (ソセイジンという) ホントに頭がいい、とても、ハタチなんて信じられない。 (チセイジンという) のびのびとして、やっぱり、山育ちはいいですわねェ、 (ヤセイジン) あんた! 成人式なんかに出てきて! まだ成人じゃないんでしょ! (ミセイジンという)
◆どうでしたか。 どちらもゴキマチ(ご期待)以上で、ダキハラゼットウ(抱腹絶倒)してしまったのではないだろうか。
◆蛇足ながら申し上げたい。 自分もこんなエッセイをと、いくつか書いてみた。 ゼンシ(然し) ここに載せることは、リュウセキ(流石)にシュウハジゴコロ(羞恥心)が先立ち、止めることにした。
2026.1.16
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