3日前の1月12日、漫画家の黒鉄(くろがね)ヒロシのエッセイを取り上げた。 『まいにちクローガネ』(角川文庫)の中にある「危険な遊び」である。 書いていて=キーボードを打っていて、あまりの可笑しさに涙を流してしまい、手が先に進まず困ってしまった。
彼のギャグマンガと同じで、とにかく面白い。 ただ面白いだけでなく、個性的で上質なセンスが満ち溢れているのだ。 もう、嬉しくなって、楽しくなって、堪らなくなって、その虜(とりこ)になってしまう。 漫画ばかりか、その筆力に、ただただ驚かされる。
今回はその中の「童顔」を紹介しよう。
「童顔」
童顔である為に、ヒゲをはやした。 ピンポーン。 郵便屋さん。 「書留でーす」 「ハーイ」 私である。 「ハンコありますか?」 「ハーイ」 郵便屋さんはハンコを押したあと、渡してくれない。 「お父さんか、お母さんいないの?」 子供に書留渡しちゃイカンと思ったらしい。 その時、私は半ズボンをはいて、確かに子供のようなカッコはしていた。 しかし、鼻の下には、到底立派とはいえないが、ヒゲが見えたはずである。 その上、私は、くわえタバコをしていた。 ヒゲも、くわえタバコも吹き飛ばす程の童顔であるらしい。
燐家のムスコで高校生がいる。 こやつめが、会うと、「ヨ!」と挨拶をする。 半年ぐらいこの、「ヨ!」が続いたが、この頃では、「コンニチハ」と頭を下げるようになりやがった。 この隣のムスコは、私を、隣のムスコだと思っていたのである。 バカヤロウ。
やはり若く見られての職務質問だったと思う。 「どこへ行く」 「家へ帰る」 「職業は」 「漫画家」 「マンナカ? どこのマンナカだ」 「マンナカじゃない漫画家」 「だから、どこのマンナカだ」
若く見られるのはいい事か、どうか知らないが、書留を渡してくれないのは困る。 いっそのことハゲてやろうかと考えている。 でも丸ハゲになったら、いわれそうである。 「ボーズ! トシはいくつだ?」
◆今回も読んでいただければお分かりのように、私などの下手なコメントは無用である。 充分楽しんでいただけたものと、確信している。
◆蛇足ながら申し上げたい。 自分もこんなエッセイが書けたなら、「『まいにちクローガネ』エのになあ・・・・・・」と思う。
2026.1.15
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