■ 童 顔2026.1.15


3日前の1月12日、漫画家の黒鉄(くろがね)ヒロシのエッセイを取り上げた。
『まいにちクローガネ』(角川文庫)の中にある「危険な遊び」である。
書いていて=キーボードを打っていて、あまりの可笑しさに涙を流してしまい、手が先に進まず困ってしまった。

彼のギャグマンガと同じで、とにかく面白い。
ただ面白いだけでなく、個性的で上質なセンスが満ち溢れているのだ。
もう、嬉しくなって、楽しくなって、堪らなくなって、その虜(とりこ)になってしまう。
漫画ばかりか、その筆力に、ただただ驚かされる。

今回はその中の「童顔」を紹介しよう。

「童顔」

童顔である為に、ヒゲをはやした。
ピンポーン。
郵便屋さん。
「書留でーす」
「ハーイ」
私である。
「ハンコありますか?」
「ハーイ」
郵便屋さんはハンコを押したあと、渡してくれない。
「お父さんか、お母さんいないの?」
子供に書留渡しちゃイカンと思ったらしい。
その時、私は半ズボンをはいて、確かに子供のようなカッコはしていた。
しかし、鼻の下には、到底立派とはいえないが、ヒゲが見えたはずである。
その上、私は、くわえタバコをしていた。
ヒゲも、くわえタバコも吹き飛ばす程の童顔であるらしい。

燐家のムスコで高校生がいる。
こやつめが、会うと、「ヨ!」と挨拶をする。
半年ぐらいこの、「ヨ!」が続いたが、この頃では、「コンニチハ」と頭を下げるようになりやがった。
この隣のムスコは、私を、隣のムスコだと思っていたのである。
バカヤロウ。

やはり若く見られての職務質問だったと思う。
「どこへ行く」
「家へ帰る」
「職業は」
「漫画家」
「マンナカ? どこのマンナカだ」
「マンナカじゃない漫画家」
「だから、どこのマンナカだ」

若く見られるのはいい事か、どうか知らないが、書留を渡してくれないのは困る。
いっそのことハゲてやろうかと考えている。
でも丸ハゲになったら、いわれそうである。
「ボーズ! トシはいくつだ?」

◆今回も読んでいただければお分かりのように、私などの下手なコメントは無用である。
充分楽しんでいただけたものと、確信している。

◆蛇足ながら申し上げたい。
自分もこんなエッセイが書けたなら、「『まいにちクローガネ』エのになあ・・・・・・」と思う。

2026.1.15




CGI-design