■ 令和8年のお年玉2026.1.5


『福井新聞』の「くらしの川柳」に入選した。
久しぶりだ。
これは自分へのお年玉″になった。

 母亡くし 心の隙間 孫が埋め

昨年11月15日、義母を亡くしたときのことを作句した。
葬儀社の葬祭場での家族葬だったが、その通夜と葬儀の際、孫たちが騒いで駆け回る姿に触発された。

家族葬は初めての経験だった。
家族ということなので、こじんまりと簡素に行なわれるものと思っていた。
ところが、まったく違ったので驚いた。
会場の広さや祭壇など、通常のものを半分程度に縮小しただけで、お寺さんの読経などやること一式何ら変りない。
遺族以外にも弔問があり、献花も並んでいた。

全てが終ってから、喪主の義兄に葬儀社への支払いを訊ねると、予想をはるかに超える額だった。
葬儀社は隠れた優良企業で、成長産業であることを納得した次第である。

世間では、今日が仕事始めだ。
この年末年始はカレンダーが、12月27日(土曜)から昨日の1月4日まで9連休と、絵に描いたような並びになった。
こんなことは、自分の記憶では一度もなかったように思う。
勤め人の方にとっては、嬉しいお年玉になったことだろう。

私のベスト5漫画家ちばてつやは、昭和14年1月11日生まれだから86歳である。
この歳で月2回発行の小学館青年コミック誌「ビッグコミック」に連載を持っている。
毎回4ページながらフルカラーだ。
あの手塚治虫や藤子不二雄ⒶFの二人に石森章太郎など、次々と亡くなっていく中で未だに現役なのだから凄い。

この作品は『ひねもすのたり日記』で、単行本になって発行され続けている。
その最新号の第F巻を読んだ。
子供の頃中国の満州に住んでいて、戦後引き揚げに大変な苦労をしたことや、高齢になってからの入院生活など、深刻な体験が面白おかしく描かれている。
その中で、奥さんの掛け声で体操をさせられるシーンがある。

「体を左右にねじりましょうっ。イッチニーイ、サンのシイー」
「タ…タンマ。ワシは…もう85だぞっ。」
「まあ80過ぎてそこまで動ければ上出来ねっ。じゃあここで、お好きな格言をどーぞ。」
「えっ……?」
「ほらっ…生きてるだけで〜〜〜?」
「ご…『合格』……か?」
「それよそれっ。もっと元気におおきな声でっ。」
「い…生きてるだけで 合格っ!」

長年連れ添った夫婦の、ほのぼのとしたやりとりが愉快だ。
ユーモアたっぷりなのにズキン″と心を突き刺してくる。

そうだ。
そうなのだ。
生きてるだけでいいのだ。
生きてることが合格なのだ。
これこそが令和8年正月のお年玉だ!

2025.1.5




CGI-design