■ やりつづけること! 初恋のパワー!2026.1.4


『武田鉄矢の心がまたひとりごと』を読み終えた。
『ふられ虫の唄』『母に捧げるバラード』と並ぶ、武田鉄矢エッセイ3部作の最後の作品である。

前2作のようなギラギラとしたガムシャラさは消え去り、「・・・でございます」「・・・ですね」といった語尾がやたらと多く最初は違和感を覚えた。
妙にへりくだったような、妙に悟ったような、何だか武田らしくないのだ。
それも読み進めるうちに慣れてきて、思わず吹き出してしまったりして、楽しく読み終えた。
やはり筆力のなせる業であろう。

最終章の最後「武田さん、辛ければ、辛ければ、泣けばいいじゃないですか!」の中に書かれていることがとても良かった。
紹介しよう。

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山田洋次監督、「シナリオなどでも根気よく書き続けているうちに、少しずつ絶対といいますか、最高の表現に近づいていくのはたしかなんです。じつは、その根気よくやりつづけること自体が、才能というものではないでしょうか」
そうなんですよね。
才能があるからものごとをうまくやれるわけじゃないんです。
ものごとをやりつづけること、石にかじりついてもやりつづけること、それ自体が才能なんですよ。

私、いつも思っとることがあるんです。
その仕事をいちばんうまくやれるやつってのは、その仕事をいちばんやりたいと思っているやつなんだと。
「やりたい、やりたい」と仕事にのめりこんでいく姿勢の中で、才能はおのずと花ひらくもんでございましょ。

唐招提寺八十一代目長老森本孝順、「私ほど煩悩の多い男はないですね。若い頃はデカダン(退廃的・享楽的)でした。それが、この寺に残ってる。不思議ですねぇ」
「どういった煩悩がおありだったんでしょうか」
「女性です。中学校を出るくらいの歳、プラトニックで真剣に考えた。命はおろか、あらゆるものを捨ててもいいという精神があった」
でも、その方は外の方と婚礼が決まった。
「もォ、耐えられなくて、百日間の無言の行(ぎょう)をやりました。その行からもらったものは空″です。頭がカラッポになって、なにもよぎるものがない。私はあらゆるものを一人で独創的にやります。それで悔いはありません」

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どうだろうか。
映画界の巨匠、山田洋次監督の「根気よくやりつづけることが才能」という言葉。
いいですね。
やり続ければその跡には何かが残る。
千円札でも1年間積み重ねていけば、36万5千円になる。
ちょっとしたものだ。
それが50年なら1,825万円にもなる。
誰もがギョッとするだろう。

唐招提寺の八十一代目、森本孝順長老の「プラトニックで命を捨ててもいいという精神があった」という言葉。
すさまじいですね。
それほど初恋は男の心が切れる純な一瞬なのだ。
初恋は男の生涯を決定づける、はかり知れないパワーをもっている。

自分がやりたいことをやり続ける。
しかも独創的にやり続け、悔いは残したくはない。
確かにそう思った。

2025.1.4




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