■ 群青色の見事な冬空!2025.12.12


昨日は、天気予報が雲と雨マークだったので、終日家に籠るつもりで、書斎の机に向かった。
いつものように新聞にザッと目を通し、パソコンを開いた。
あれこれと頭がザラツク前に、Wordの画面に対峙し、文章を書きたいからだ。

これはという材料が既にあるときは、楽に書き出せるが、そんなことは週に二日と無い。
大概、窓から見える空をぼんやりと眺め、何かが頭にポッカリと雲のように浮かばないかと待つ。
いくら待っても簡単に浮かんでくることはない。
仕方がないので、机の上にある読みかけの本をパラパラとめくってみたり、本棚に並ぶスクラップブックを開いてみたりする。

何か書くことのきっかけをつかみたいと、必死になっている自分が情けない。
「仕事ではないのだから、書けないならそれでいいではないか」
もう一人の自分がそう話しかけてくる。
「いや、一度気を抜いてしまうと、次は書き出すのにもっと大変な思いをするのだ」
そう反論して自分を励ます。

これまでがそうだった。
「まあ、今日ぐらい休んでもいいか」
そうして一日休んでしまったらいけない。
「もう一日ぐらいいいだろう」
それを繰り返してしまう。
楽を覚えてしまうと、元に戻すには何倍もの苦しみを味わうことになる。

スポーツがそうだ。
油断してトレーニングをサボると、元の筋力を取り戻すのに大変な目に遭う。
ダイエットがそうだ。
ちょっとだけならいいだろうと、我慢していた甘いものや肉を食べると、あっという間にリバウンドがきて泣きたい思いをする。

そうならないためにも、今を頑張るのだ。
スクラップブックを本棚に戻すと、椅子に掛け、充電中のスマホを手に取った。
LINEやShortMailの着信はない。

何気なく写真のアイコンをタッチした。
すると昨日歩いているときに撮った、見事な群青色の冬空に目が奪われてしまった。
「われながら素晴らしいシャッターセンスだ」
文字通りの自画自賛に笑ってしまう。

昨日は今日と同じで、天気予報は晴マークなど出していなかった。
ところが、エッセイを書き上げ窓の外を見上げたら、真っ青な空が広がっているではないか。
遅いお昼を済ますと、迷わず帽子をかぶりウォーキングシューズを履いた。
軽く柔軟体操をし、いつもの宮谷川の堤防を北に向かったのだ。

しばらく歩くと、雲一つない空を見上げながら、大きく両腕を広げ背伸びをした。
心地よい衝撃で、朝から淀んだようになっていた血が全身に流れ出した。
勢いづいて足早に歩を進めると、じんわりと背が汗ばんできた。
心までが晴ればれとする汗だ。

スマホのカメラを、見事な群青色に染まった冬空に向けた。
たった1回押したシャッターで、納得のいくものが撮れた。
われながら見事だと、ひとりニヤリとするのだった。

2025.12.12




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