■ 嘆くな 一歩を踏み出せ2025.11.15


スーパーには雑誌が置かれている。
必ず立ち止まって確認するようにしている。

月刊誌『PHP』は、表紙に特集のテーマが分かりやすく書かれているのがいい。
気になれば必ず手に取って、パラパラとページをめくる。
これはと思えば買い物かごに入れてしまう。
税込300円が高いか安いかは、自分の価値観が決めてくれる。

『PHP』を読んでいて、案外見落としてしまうのが裏表紙のコラムだ。
500字ほどだが、毎号なかなかのことが書かれている。
今回は2012年6月号(税込200円)のものを全文紹介しよう。

「糧」

厳しい寒さが続くと、真夏のうだるような暑さが恋しくなる。
酷暑の日々が続くと、真冬の寒さが懐かしく思えてくる。

逆境に陥ったとき、周囲の支えを心からありがたいと感じる。
しかし、順境になれば、感謝の気持ちを失い、逆に、他人への不平さえ口にするようになる。

勝手なものである。
人間は過ぎ去ったことはすぐに忘れて、今おかれている状況に不満を抱く。

暑さ寒さならいずれ時期が来て緩んでくるけれど、現実にはただ嘆いても打開できないことが少なくない。
また、とかく不平不満を募らせるのが人情とはいえ、それでは心が暗くなるばかり。
人間関係もうまくいかなくなるだろう。

大切なのは、つらいことも嬉しいことも、すべての体験とそのときの感慨を十分に噛みしめ、一つひとつをしっかりと自らの糧にしていくことではないか。

そうしてこそ、困難には、今度も必ず乗り越えられると立ち向かう。
困っている人がいれば、自分が恩返しをする番だと進んで手を差し伸べる。
そんな力強く、人間らしい生き方ができるようになるにちがいない。

(神尾)
酷暑に嘆き雪の冬に嘆く。
あっという間に過ぎ去ってしまう春と秋を嘆く。
年中嘆いている自分が嫌で仕方がない。

暑さが過ぎればやるぞ。
雪が消え寒さが過ぎればやるぞ。
やっときたと喜んだ春と秋は束の間。
狂った気象が悪いと嘆く自分が情けない。

暑くてもやれることがある筈だ。
雪の冬でもやれることがある筈だ。
やるかやらないかは自分が決めることだ。

ただ嘆くだけではなんの解決にもならない。
嘆かないでどうすればやれるかを自分で考えることだ。
考えるだけでなくやることだ。
やることで成果を得ることができる。

嘆くな、腰を上げろ。
待っているな、前を向け。
一歩を踏み出せ、歩き続けろ。

2025.11.15




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