■ 熊被害を考える2025.11.1


連日のように、熊出没や熊被害の報で新聞やTVが騒がしい。
襲われて死亡したり大怪我する人が相次いでいる。
2025年度の死者は12人で、過去最多の23年度の2倍になっている。

勝山市では3日前の10月29日、市街地に出没した親子熊2頭を射殺した。
これを「クマ緊急銃猟」というらしい。
市町村長が次の4条件を判断した場合に、駆除できるとのことだ。
@住宅や広場などに侵入またはその恐れがある。
A危害防止が緊急に必要。
B銃猟以外では的確かつ迅速な捕獲が困難。
C人に弾丸が当たる恐れがない。

熊は思いのほか増えてきているので驚いた。
農林水産省の調査によれば、この国には約1万2千頭が生息しており、30年前に比べ2倍以上とのことだ。
熊ばかりか、猪や鹿も増えているから、山では餌の奪い合いになってしまう。
それに木の実の不作が追い打ちをかける。

当然、熊は山から人里へと餌を求めてやってくる。
熊は人里で無事餌にありつけば、そのことを学習して何度でもやってくる。
それが親子であれば、子の方も親になれば子を連れてやってくる。

「熊を殺すな」
「熊を保護しろ」
「熊を山へ帰せ」
こんな声が聞こえてくる。
だが、ちょっと考えてほしい。
あなたの子供が熊に襲われたとき、あなたはどうするのか。
「熊を殺して」
そう叫ぶだろう。
だからこそ、増えすぎた熊を、子供が襲われる前に駆除しようというのだ。

同じように、田畑を荒らし農家に被害をもたらす、猪や鹿も駆除しなければならない。
農家の人たちは、猪や鹿のために米や野菜を作っているのではない。
私たちのために作っていることを忘れてはいけない。

行政もようやくここにきて、重い腰を上げたようだ。
警察庁はライフル銃を使用した駆除を検討している。
ということは、熊は猟銃でしか射殺することができないということだ。
知らなかった。
警察庁では、被害が深刻な北海道と東北6県の機動隊での駆除を検討しているとのことだ。

各地の自治体では、猟友会のハンターの報酬手当を拡充してきている。
富山県射水市は1頭5万円を創設。
北海道池田町は1頭5万円を8万1,300円に増額。
新潟県長岡市は1頭2万円を支給。
秋田市は」1頭1万円、出動報酬8千円を支給。

九州では熊は絶滅したといわれている。
二ホンオオカミも絶滅してしまった。
まさか、熊も猪も鹿も絶滅させてはいけない。
だからといって、このまま増やし続けて、被害を拡大するわけにはいかない。

駆除を頭から否定するのではなく、増え続けるのを放置するのではなく、適正な生態規模を維持し、共存共生することだ。

2025.11.1




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