凄(すさ)まじい猛暑がおとなしくなったと思ったら、過ごしやすい秋はほんのしばらくいただけで何処かへ行ってしまった。
朝晩の冷え込みは半端ではなく、寝るのは厚手のパジャマに下着を重ね、冬布団の足元は毛布で隙間をふさぐ。 北向きの書斎は、日中でも電気ストーブを弱にして傍に置く。 夜呑みながら、阪神タイガースとソフトバンクの日本シリーズをTV観戦するときも、ストーブのお世話にならなければ、寒くてゲームに集中できない。
狂った気象は、サンマやイカの豊漁をプレゼントしてくれたが、熱いコーヒーをひとすすりしたくらいのものでしかない。 それよりも、相次ぐ熊の出没と被害まで、狂った気象が影響していると思わずにはいられない。
行楽の秋、スポーツの秋、読書の秋、実りの秋、恋の秋(?)・・・ そんな秋をじっくりと楽しむことができない。 天は、この国の春と秋を何処かへ追いやり、寒くて深い雪の冬と凄まじい猛暑の夏だけにしてしまった。
四季の季節巡りが、この国の美しさと、礼儀正しく豊かな人の心を育んでくれた。 それが過去のものとなってしまった。
電話で老人を騙し金を奪う、白昼堂々と貴金属店を襲い奪う、やけになって罪のない人を何人も殺す。 狂った気象は彼らまで狂わせてしまったのだろうか。
人間は高度な文明を築き上げ、便利で快適な生活環境を手にした。 半面、自然を破壊し地球温暖化を招いてしまった。 狂った気象は、われわれ人間があのバベルの塔を築きもたらした結果のように思えてならない。
神の怒りが、アメリカのトランプを強権独裁にし、ロシアのプーチンに侵略戦争させ、パレスチナ紛争を長引かせ、北朝鮮をならず者国家にしたのかも知れない。
朝布団の中でそんなことを夢想した。
2025.10.29
|