このエッセイを4日間も書けなかった。
13日に高岡の町を歩き、翌日14日は溢れんばかりの想いが、パソコンのキーをたたかせてくれた。 ところがそこでプッツンしてしまった。 久しぶりに13,000歩も歩いた疲れが一気に出たのだ。
新聞を読んでも、本を開いても、パソコンに向かっても、何をしてもボンヤリとして集中できないのだ。 空虚な時間が流れていく。 これではいけないと気分転換に、カレーを作ったり、本棚の整理をしたり、洗濯をしたり、するが気力が散漫で一点に集中していくことがない。
そこで昨日は朝9時ごろ家を出て、金融機関巡りをすることにした。 信金・銀行・郵便局・JAと、通帳記帳をして歩くのだ。 これで概ね町をひと回りすることになり、だらけた気分がシャキッとするかも知れない。 高岡歩きの疲れはまだ残っていたが、GパンにTシャツで外に出た。
気温は高く風が強くてどうなっているのかと思ったが、案外快適に歩けた。 信金・銀行・郵便局と記帳すると、どこも入金は利息だけ、出金は公共料金の他にカードやQR決済が思いの外あり驚く。 仕事を辞めてから、金融機関に出向くことがほとんどなくなり、経済社会から取り残されたようで寂しい。
次にJAを目指し歩いて行くと、仲間が家の前の駐車場で車のドアを閉めているのが見えた。 「おーい」 大きな声で呼んだつもりだが、聞こえないようだ。 今度は大きく手を打ち鳴らし、駐車場に小走りで駆け寄った。 「おはよう」 声をかけると笑顔を返してきた。 「柿を貰ってきた」 渋柿なので、これからアルコールで渋抜きをするとのことだ。 高岡歩きのことや次はどこを歩くかなど、とりとめのない話をしていると、1時間にもなってしまった。 仲間はいいものだ。
気分よくJAで記帳を済ますと、帰路に芦原温泉駅とイベント広場アフレアがある。 JR新幹線駅は改札口周辺が乗降客で混み合っていた。 イベント広場アフレアと駅前には多くの屋台店が出て、若い子で賑わっている。 新幹線が来て1年半になるが、駅はもとより駅周辺が劇的に生まれ変わり、歩いていると心が浮き立ってくる。
家に帰ればもうお昼時だ。 昨日作ったカレーを温め、水代わりの缶ビールを添えた。 カレーは一晩おくとなぜだか旨くなる。 久しぶりの昼に呑むビールがその旨さを倍にしてくれる。
「さあ〜やるぞ!」 元気が、気力が、集中力が、ようやく戻ってきた。
2025.10.19
|