■ 「神尾昌夫 宿巡り 水彩画展」2025.10.9


昨日の8日、「神尾昌夫 宿巡り 水彩画展」に行ってきた。

『福井新聞』の催し物案内の中に、たった3行出ていたのを見逃さなかった。

◇神尾昌夫水彩画展(宿め
ぐり)(12日まで 坂井市の
アダージョ)

神尾昌夫さんは、私の生まれ育った旧金津町宮谷の人である。
美術の先生として高校に勤めながら、絵を描き、彫刻していることは、子供の頃から知っていた。
小学生のとき、村の葬式で神尾昌夫さんが描いた故人の遺影を観て、感動したことを鮮明に覚えている。

2025.8.2のエッセイで「村の方言」と題して書いたが、内容は『あわら市 宮谷区誌』の紹介である。
神尾昌夫さんは、その宮谷の歴史編纂委員会の委員長を務め、挿し絵やカットを描いている。

今回の「神尾昌夫 宿巡り 水彩画展」について、本人は次のように案内している。

     ―――――――――――――――
昨年の春五月、米寿を記念して、信州は馬籠、妻籠、奈良井と宿を散策・・・絵になる風景を探し歩いてきました。
ぜひ、ご高覧いただきたくご案内いたします。
 神 尾 昌 夫
     ―――――――――――――――

これらの作品ばかりでなく、信州安曇野、若狭の熊川宿、美濃、の作品もあるがどれもとてもいい。

一般的に、旧街道や宿場を題材に水彩で描けば、静的な作品になる傾向がある。
ところが、これらの作品には観光客や女子高生を配しているため、躍動感があり動的に仕上がっているのが興味深い。
油彩にないその味わいが素晴らしい。
とても米寿を思わせない。

会場となった「アダージョ」は、あわら街道からちょっと入った、坂井市春江町松木の磯部川の堤防道路沿いにある。
正確には「カフェ&ギャラリーアダージョ」という。

駐車場は10〜15台と広く、店内も4人掛けテーブルが4つ、カウンターは5、6人で案外広い。
カフェとしては十分ゆったりしている。

ところが、ギャラリーとしてはテーブルや椅子が邪魔で、作品を鑑賞するには窮屈だ。
それに明り取りの窓からの光が、作品に映ってしまうのが致命的だ。
作品がカウンター内の調理場にまで展示してあるのには、驚くより、呆れてしまった。

カフェとギャラリー、まさに二兎を追うものは一兎を得ず″ということである。
しかも、トランペットや楽譜台を置いたミニステージもあったから、あまりにも欲張り過ぎる。

全体の雰囲気とセンスにはいいものがあるので、残念な想いを残し外に出た。
ただ、ギャラリーとしては無料で、カフェの飲み物を注文する必要もない。

作品のどれもが、とても良かった。
水彩画の味わいが、とても良かった。

楽しさ半分 残念さ半分″が正直なところである。

2025.10.9




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