■ 心、癒される本 A2025.10.6


前日5日に引き続き、田口久人著『そのままでいい』について書きたいと思う。

この書は311ページで構成されている。
ページ数はなかなかのものであるが、小一時間もあれば読めてしまう。
176のことに付いて書かれているが、短いものは1ページ2、3行でしかないし、長いものでも4ページのものが3つあるだけで、殆どが2ページで収まっている。
だからといって、その内容は軽くはない。

初めてこの書を手に取ったとき、作者はサラッと書いているのではと思ってしまう。
ところが読めば読むほど、その人間性、その文学性、高い完成度に感服してしまう。
心の琴線を弾いてくるから、ズッシリと重いのである。

「理由はいらない」

信じるのも
好きになるのも
愛するのも
夢を追いかけるのも
幸せになるのも
理由なんていらない
何か理由をつけて
自分をごまかさないこと
恐れなくていい
自分に素直になればいい
感じるままに動けばいい

《神尾》

信じ、好きになり、夢を追いかけ、幸せになる。
そんな人生なら天国にいるようなものだ。
恐れず、自分に素直に、感じるままに動くことが出来ない。
だから、その理由をつけて自分をごまかしてしまう。
人は弱いものだということを、逆説的に教えてくれている。

「人間だから」

人間だから失敗する
人間だから逃げる
人間だからあきらめる
人間だから悲しむ
人間だからうらやむ
人間だから泣く
完璧な人間はどこにもいない
良いときもあれば悪いときもある
自分を責めなくていい
一歩ずつ前へ進めばいい

《神尾》

失敗し、逃げ、あきらめ、悲しみ、うらやみ、泣いてばかりいた。
そんな自分を責めてばかりいた。
完璧はない、良いときも悪いときもあった。
一歩ずつ前へ進むのが人生だと、今だから分かる。

「変えられることから」

後悔するより反省する
うらやむより自分を磨く
妬むより良いところを真似る
怒るよりその場を離れる
中途半端にするより真剣にする
何となくやるより意識してやる
言い訳するよりまず動く
期待するより一緒にがんばる
悩むより相談する
無理するよりあきらめる
他人を気にするより自分の道を信じる
人生において
無駄にする時間はひとつもない
変えられることから変えよう

《神尾》

一つ一つの言葉が優しく語りかけてくる。
一つ一つの言葉がストライクゾーンに放り込まれてくる。
後悔はするな、反省しろ。
他人を気にするな、自分を信じろ。
大好きな言葉だ。
いつも自分に言い聞かせて生きてきた。

「タイミング」

人生にはタイミングがある
逃すこともあれば
捉えられることもある
遅かったのか早かったのか
そのときにはわからない
ときには迷うかもしれない
一度選んだなら
その選択が正解だったと思えるように
行動するだけ
いちばん良くないのは
何も選ばずに何もしないこと
二度とタイミングを逃さないように

《神尾》

この歳になったからこそ、これらの言葉を素直に受け容れることができる。
一度選んだなら行動するだけだ。
行動したら結果を出すだけだ。
何も選ばず何もしないのが一番良くない。
つくづくそう思う。

2025.10.6




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