今日の『日本経済新聞』には驚いた。 1面の紙面案内に「阪神V 沸き立つ関西 [特集]」とあるではないか。 紙面を繰ると2ページ見開きで、阪神タイガースV特集の迫力が目を釘付けにした。 長嶋茂雄が亡くなったときには及ばないが、『日経』がまさかタイガースを特集するとは思いもしなかった。 土曜日だから紙面の埋め合わせをした、などとは考えないでおこう。 素直に喜びたい。
特集記事は次の5つについて書いている。 それぞれについて要点を紹介しよう。
@選手会長・中野拓夢 A3番打者・森下翔太 Bリリーフ・石井大智 CV・関西の経済効果 D打とリリーフ・データ
【選手会長・中野拓夢】
「選手会長・中野が手記」 「『選手ファースト』心強く」
選手会長として、藤川監督とコミュニケーションの取りやすさを感じながらきました。 2番の自分は犠打でリズムをつくっていることが、2割9分の打率を残せている一因だと思っています。 二塁手は一塁までの送球距離が短いため、送球のことを考えずに捕球に集中できます。 打球方向のデータや打者のスイングの様子、投手の球種などから打球方向を予測して守備位置を変えています。
【3番打者・森下翔太】
「投打の成長株 けん引」 「森下、打点リーグ2位」 「走攻守で勝負強さ」
7月13日のヤクルト戦、右翼守備の甲子園九回1死二、三塁、深い位置で捕球した森下は矢のような送球で、本塁突入した三塁走者をアウトにした。 7月2日の巨人戦、八回、二塁走者の森下は大山の遊撃内野安打で一気に本塁へ突入、捕手を文字通り「かいくぐって」の決勝点。 開幕2戦目の広島戦、1−2の六回に逆転2ラン。 5月には4試合連続本塁打。 80打点はリーグ2位。
【リリーフ・石井大智】
「投打の成長株 けん引」 「石井、無失点の新記録」 「打球直撃乗り越え」
6月6日のオリックス戦、2番手登板した石井の頭部に、強襲ライナーが直撃、救急搬送。 復帰した7月1日の巨人戦、2安打無失点に封じる。 4月4日からの巨人3連戦3連投、3連勝に貢献。 8月9日のヤクルト戦、藤川監督に並ぶ38試合連続無失点のリーグ記録達成。 同月には40試合連続無失点のプロ野球新記録樹立。
【V・関西の経済効果】
「阪神V 沸き立つ関西」 「経済効果976億円 万博も後押し」
阪神百貨店は14日まで全4店舗とオンラインストアで「優勝記念セール」を開催。 阪急阪神百貨店グループの神戸阪急も10日まで3日間「優勝記念セール」を実施。 球団公式スポンサーの上新電機は9月中、実店舗と電子商取引サイトで「リーグ優勝おめでとうセール」を実施。 神戸風月堂はリーグ優勝記念ミニゴーフル(594円)を用意。 関西大学宮本名誉教授は阪神タイガースのセ・リーグ優勝が関西(2府4県)に及ぼす経済効果を976億円と試算。 経済効果が23年の「アレ(=優勝)」を約100億円上回る理由として、「観客動員数増加」などに加えて「諸物価上昇が影響したこと」「万博開催もプラスに働いている」と指摘。
【打とリリーフ・データ】
「データで見る優勝の軌跡」 「佐藤輝、本塁打王確実に」 「盤石の救援陣」
今季は投打で他の5球団を圧倒。 3番森下、4番佐藤輝、5番大山のクリーンアップは、球団初の日本一となった1985年の3番バース、4番掛布、5番岡田にも劣らぬ迫力。 石井、岩崎、及川らの盤石リリーフ陣は2005年のリーグ優勝時の「JFK」(ジェフ・ウィリアムス、藤川、久保田)を想起させる。
「本塁打」 佐藤輝が36で独走し、2位も森下20で阪神勢が際立った。 「打点」 1〜3を佐藤輝89、森下80、大山66の阪神勢が独占。 「打率」 1番近本と2番中野が首位打者争いに参戦。 佐藤輝も一時は打率上位に顔を出し、三冠王を視野に入れる場面もあった。 「リリーフ陣」 リリーフ防御率は1.93でリーグトップだ。 藤川監督が各投手の状態や相手との相性などを考慮して柔軟な継投策をみせた。
さすが『日本経済新聞』である。 阪神Vを関西の経済効果の視点から第一に捉えているのが面白い。 打撃面では1985年のリーグ優勝時のデータと比べているのが経済専門誌らしい。 リリーフ陣についても2005年のリーグトップのデータを上げて比べている。
こんなことを書いても、野球に興味のない人は興味がないだろう。 阪神以外のチームを贔屓にしている人は不愉快だろう。 でもまあ、ここは、小学5年生から63年来の虎キチに免じてお許しください。 わが阪神タイガース優勝を振り返り、楽しみたかったということです。
2025.9.13
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