■ 偶然と必然2025.9.12


私たちの人生は、偶然と必然が綯い交ぜになってある。

【偶然】

『三省堂国語辞典第四版』
思いがけないようす。
ふと。たまたま。

『岩波書店広辞苑第三版』
何の因果関係もなく、予期せぬ出来事がおこるさま。
原因がわからないこと。
歩行者の頭に瓦が落ちてくる場合のように、ある方向に進む因果関係系列に対して、別の因果系列が交錯してくる場合。
ふと。たまたま。はからずも。

【必然】

『三省堂国語辞典第四版』
そうなることが決まっていること。
当然。きまって。結果として。

『岩波書店広辞苑第三版』
必ずそうなること。
一般に、何かがそれ以外にありえぬことをいう。

偶然と必然の違いは一言でいえば、偶然は「たまたま起こること」であり、必然は「必ず起こること」だ。
私たちの人生は「たまたま起こること」と「必ず起こること」で出来ている。

一歳年上のN君と竹馬の友になったのは、偶然だと思う。
たまたま同じ村に生まれ育った。
たまたま気心の波長が合って一緒に遊ぶようになった。
お互いに定期購読していた雑誌を交換して読んだ。
高校で馬術部に入ったのは、学校は違ってもT君が馬術部で頑張っていたからだ。

阪神タイガースのファンになったのは、偶然だと思う。
たまたま小学校でT君と同じクラスになった。
たまたま気心の波長が合って一緒に遊ぶようになった。
T君は熱烈な阪神タイガースファンだった。
小学5年生のとき、タイガース優勝を二人で教員室のTVを盗み見してから、自分もタイガースファンになった。

M君とK君という仲間が出来たのは、偶然だと思う。
たまたま三人は中学も高校も同じだった。
大学は別々だったけど、たまたま三人とも地元に帰り就職した。
たまたま三人の気心の波長が合って一緒に遊ぶようになった。
一緒に飲みに行ったし、バーベキューもキャンプもした。
M君は媒酌人を務めてくれたし、K君は披露宴の司会進行を務めてくれた。

会社を辞めたのは、必然だと思う。
親の縁故で入社した会社では総務部経理課に配属された。
仕事は嫌ではなかったが、部長や課長のサラリーマン根性が嫌で仕方がなかった。
自分の将来をこんな会社で終わるなど、あってはならないことだと思った。
必ず辞めるべくして辞めたのだ。

独立開業したのは、必然だと思う。
会社を辞めても再度サラリーマンになるのは絶対に嫌だった。
必ず税理士になるべくして税理士になった。
中小企業診断士になったのも仕事上の必然だった。
大学院に行ったのも仕事上の必然だった。

カミさんとの結婚は、必然だと思う。
仲間内では最初に結婚していたM君が紹介してくれた。
30歳を目前にし、結婚を焦っていたこともあり、相手は誰でもよかった。
それより、好きだった女(ひと)とは一緒になれなかったことによる、諦観が大きい。
必ず結婚すべくして結婚したのだ。

2025.9.12




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