■ 過去・現在・未来2025.9.11


人には「過去・現在・未来」がある。

人は現在を生きている。
その積み重ねが過去をつくった。
その積み重ねの上に未来がつくられていくのだろう。
過去・現在・未来の重さは「3:4:3」かと思う。

仕事を辞めて変わったのは、現在の比重が随分重くなったことである。
さあ、今日はどうして生きようか。
毎朝そう思って布団から起き出ている自分に気付く。
朝食を済ますと必ず仏壇に手を合わせる。
昨日の無事を感謝し、今日の無事を祈る。
過去・現在・未来は「3:6:1」になっている。

仕事をしていたときは、過去と未来が逆転していた。
未来が大きくて重かった。
過去の経験を踏み台にし、現在はそれ以上にステップアップすべきだ。
未来はさらなる高みを目指そう。
そのように生きていた。
過去・現在・未来は「1:5:4」だった。

人生を振り返ってみると、究極のところは自分との戦いだった。
他人(ひと)はどう思おうが、自分が自分に対してどう納得するかであった。
しっかりした自分の物差しを持って、自分の間尺に合う生き方をしようとやってきた。
それが自分の人生だと信じて生きていた。

そんな人生を振り返ることが多くなった。
このエッセイも、子供の頃のこと、好きだった女(ひと)のこと、仕事していた頃のことなど、済んだこと過去ばかりを書いている。

これからどうしようかと、5年先、10年先のことなど、未来は書いていない。
今日どうするかが精一杯で、未来のことなど考えている余裕などないのだ。
それよりも未来の絵など描いても、それこそ絵に描いた餅で虚しいだけだ。

さあ、頭を働かそう、身体を動かそう、刺激を求めよう、無理はよそう。
さあ、エッセイを書いて、本を読んで、歩いて、呑もう。

内面の生活さえ豊かならば人は幸福でいられる。
老いもひとりも恐れることはない。

2025.9.11




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