メモ用紙はいつも、机の上、電話機の傍、枕元に置いてある。 これら以外の場所でメモが必要になったときは、本の余白、新聞の白い部分、付箋紙など、手に届くところにあるものに書き、後でメモ用紙に写している。
さて今回は、Dからのメモについて振り返ってみよう。
D「ただお前がいい歌詞 おもいを込めた詩をかく いいぞ! 小ぐら佳の歌にのめり込んだ」
これは9日前、今月21日のメモだからよく覚えている。 BS11に、夜8時から『鶴瓶のええ歌や』という60分番組がある。 21日、そこにファン歴57年の小椋佳がゲスト出演していたのだ。 「小ぐら佳の歌にのめり込んだ」とあるのはそういうことを意味する。
「ただお前がいい歌詞」とは、小椋佳の歌「ただお前がいい」が「いい歌詞」だと「いい」に二つのことをかけて表現している。
また会う 約束など することもなく
それじゃあ またなと 別れるときの お前がいい
このフレーズがとても気に入っている。 2004年の作品だから、ファン歴57年の私にとっては、新しいものと位置付けられる。
「おもいを込めた詩をかく いいぞ!」 この作品は友への想いを書いている。 友への「おもいを込めた詩をかく」これは「いいぞ!」と、自らにそんな詩を書けと背中を押しているのだ。 詩を書くのは難しい。 呑みながらのメモだから書けたのだ。
E「女はながめているだけがいい 男も期待しない方がいい」
やはり野に置けれんげ草″という表現がある。 れんげは野に咲いてこそ美しいのだから、摘み取ったりするなということだ。 女性も同じで、きれいだなと思っても「女はながめているだけがいい」。 結婚すれば、きれいでないところもたくさん見ることになる。
「男も」同様に、女性からすれば結婚前は大きな期待をすることだろう。 ところが結婚すれば「期待しない方がいい」ということが分かる。
夢も希望もない話だがそれが現実だということを、切々と書き表そうとメモしたのだと思う。
F「フォークソング あのすばらしい――― フォーク世代 フォークル」
1960〜70年代は「フォークソング」の全盛期だった。 その時代にフォークソングに夢中になった若者を「フォーク世代」と呼ぶ。 「あのすばらしい―――」は、「フォークル」ことフォーククルセダーズ″のあの素晴しい愛をもう一度″のことで、71年に大ヒットした。 フォークソングの代表曲である。 中学校の音楽教科書にも採用されている。
なんでメモしたのかは覚えていない。
G「今だからわかる彼女たちの想い やり直しはできない。」
付き合っていた女の子を振ったことがある。 いい子だったが、四六時中まとわりついてくるようで、束縛されるのが嫌でしょうがなかったからだ。 「今だから 彼女の 想い」が「わかる」。 彼女はその恋愛感情を抑えることができなかったのだ。
付き合っていた女の子に振られたこともある。 突然届いた手紙に私結婚します″と書いてあった。 遠距離恋愛で一つ年上の人だった。 「今だから 彼女の 想い」が「わかる」。 会いたいときに会えず、年下の男にはいろんな意味で不安があったのだ。
「今だからわかる彼女たちの想い」、あの時代に戻って「やり直しはできない」。
Fのメモあの素晴しい愛をもう一度″の意味が、ここにあったのかも知れない。 それでいいのだと想う。
以下、次回へと続ける予定だ。
H「人というものは良いことをしながら悪いことをする」 I「善と悪とがないまぜになった生き物 人の世もじんじょう 政治も同じか?」 J「子供の頃から台所に立っていた。幸不幸は当人が決めることだ」 K「生まれ育った古里は自分の原点だ 18で離れたけど結局戻ってきた」 L「生老病死」 M「いくつになっても誰にでも想いを寄せる人がいるのではないだろうか? 金沢競馬」 N「宮谷川堤防を歩いていると出会う生き物たち」
2025.8.30
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