昨日20日、モタさんこと斎藤茂太の語録のことを書いた。 そのとき本棚を巡って斎藤茂太の著書を探した。 5、6冊はある筈と思っていたが、1冊しか出てこなかった。 増える蔵書を何とかしなければと、これまで涙を呑んでその多くを処分してきた。 その中に斎藤茂太のものもあったのだろう。 皮肉なものである。 もう読むことはないからと手放してしまった本がまた読みたくなる。 これまでにも何回かこんなことがあった。 同じ本を何度も買ってしまうのも悔しいが、手放してしまった本も惜しくて悔しい。
さてたった1冊残っていたのは、『「なぜか人に好かれる人」の共通点』(PHP文庫)という。 2010年7月発行となっている。
好かれる人のことを、次の9つのタイプとして取り上げている。 どうだろうか。 あなたにも思い当たる人が何人もいるのではないだろうか。 それがあなた自身のことだったかも知れない。
「がんこではない人」10項目 「無理のない人」11項目 「人に押しつけない人」10項目 「待つことのできる人」10項目 「ひとりでも楽しめる人」10項目 「水に流せる人」10項目 「立ち直りのうまい人」11項目 「頼りになる人」11項目 「人を立てる人」16項目
これを書いている私にもなるほど″と思うことがある。 そこで印象に残ったいくつかの項目について紹介しよう。
■素直によろこぶ人を、人はずっと見ていたい
うれしい、おいしい、気に入った、楽しい、そういう感情を素直に表現できる人は、好感度も高い。 それができない人は、「どうして素直に喜んでくれないの」と不満を感じる人がいるのだから、うれしいときには素直に表現しよう。 人は、だれかのうれしそうな表情を見ているのが好きなのである。
■書いて捨てよう、怒りやグチ
むしゃくしゃしたときの発散法……、紙に書くことだ。 書くことで、ウソのように気持ちがすっきりする。 会社、上司、政治、社会に対するいらだちを川柳にして、笑い飛ばしてやる。 飲み屋で悪口をいうより、よほど健康的だ。
■走るように生きてゆく人、杖を頼りに生きてゆく人
人にはそれぞれ、自分のペースや段取りというものがある。 「人それぞれ」がわかっている人は、自分のペースで酒を飲む。 「飲んでないじゃないか! もう一杯、いけ」 などと、わめいたりはしない。
■人を変えようとするのは、ちょっと図々しい
人には、百パーセントの完璧を求めないこと。 お互いに八〇パーセントぐらいのところで「いい状態」であるのが、無理がなく、長つづきする。 不足分の二〇パーセントは、自分が少しずつ成長しつづけることでいずれ埋まるものである。
■ひとりでも楽しめる人は、人から招かれる
ひとりでも楽しく過ごせる人は、「自分のことは自分でする」という生活の基本ができている。 自分でできる人は、ひとりでいてもさほど苦痛ではない。 個として自立し、一方的に依存するのではなく、ギブ&テイクの関係を保てる人だ。
■若さの秘訣は、「人生のテーマ」をもつこと
七十代になると、自分の寿命と相談して、死ぬ前にこれだけのことはしよう……という目標が生まれる。 ふしぎなことだが、一つのことに打ち込むと、次から次へと疑問が生まれてくる。 なぜか……と、好奇心が湧いてきて調べようとする。 この活動が脳への刺激となる。
■自分をほめられる人は幸せ、それを見ている人も幸せ
自分で考え、自分で努力し、その結果に納得する。 有森裕子さんが「自分で自分をほめたい」といったのは、オリンピックのマラソンで銅メダルを獲得した直後である。 自分をほめられる人は幸福である。 そして、それを見ている人もまた十分に幸福なのではないだろうか。
2025.6.21
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