■ 小泉農相の手腕を見守る2025.6.15


私は稲作農家に生まれたこともあり、この度の「コメ騒動」が気になって仕方がない。
したがって、小泉進次郎農林水産大臣の農政の動向から目が離せない。
新聞はこれまで小泉農相に対し、概ね好意的であるような論調だった。
ところがここにきて、ボチボチと批判的な記事を見かけるようになってきた。
12日の『福井新聞』一面のコラム「越山若水」は、次のように書いている。

   ――――――――――
備蓄米は「大不作などの場合」を除き「主食用途に売却しない」という原則を破る放出である。
小泉氏の方針は何から何まで異例ずくめで、価格を下げる政策は消費者目線と評される。
ただ、「コメ産地をどう守るか」がセットで発信されるべきで、倉庫業者が保管料を得られず危機に陥っている。
政策の大きな転換には不測の事態が起こり得る。
小泉氏が環境相として進めたレジ袋有料化は、製造会社が事業を続けられなくなる事例があった。
政治が新しいことをやる時、影響にさらされるのは常に国民。
   ――――――――――

小泉農相はコメ対策について、6月3日の記者会見でキッパリと言っている。
「需要があれば全部出すという思いは全く変わらない。スピード最優先だと行き届かないところがあるのは覚悟の上″で判断している」
小泉農相はちゃんと分かっていて、このコメ騒動に取り組んでいるのだ。
備蓄米転売規制を導入する方針で、早ければ6月中にも適用可能となる。
6月11日の『福井新聞』「表層深層」でも書かれている。

   ――――――――――
農家は、「秋以降にコメが余れば価格は大幅に下がる。そんなに備蓄米を出す必要があるのか」と指摘。
小泉氏の輸入発言にも不満を漏らす。
早期値下げと中長期の需給バランスの確保、凶作への備えといった複雑な方程式を前に、小泉氏は難しいかじ取りが続く。
   ――――――――――

小泉農相は、自民党の派閥バランスと当選回数への配慮で大臣になった人ではない。
昭和56年生まれの44歳と若く、これまで衆議院議員6期、環境大臣・気候変動担当大臣を務めてきた実力者である。
今しばらく、その政治手腕を見守っていきたいものだ。

2025.6.15




CGI-design