■ 自分に負けるな 自分を信じて2025.6.13


われわれは他人(ひと)を励ますとき、「頑張れ」と言うのが一般的である。
ところが、励まされた方はそのひと言で、はたして元気づけられるのだろうか。

テレビのニュース番組で観たことがある。
「わたしたちは頑張ってます。これ以上頑張れって言われてもどうすればいいんですか」
2011年の東日本大震災は、東北地方に想像を絶する被害をもたらした。
現地を訪れたマスコミの取材者に、被災者が悔しそうに答えていた。

『日本経済新聞』のスポーツ面に、「逆風順風」というコラム欄がある。
そこでプロ野球で投手・監督として大活躍した、権藤博が書いていた。
「監督がマウンドに駆け寄り、苦戦する投手に頑張れと励ましたって、そんなこと言われなくても頑張ってるよと反発されるだけだ」

岡本真夜の楽曲に、「TOMORROW」というヒット曲がある。
そのなかに次のような歌詞がある。

  涙の数だけ強くなろうよ
  風に揺れている花のように
  自分をそのまま信じていてね
  明日は来るよ どんな時も
  明日は来るよ 君のために

どうだろうか。
この言葉は優しく語りかけてくるのだが、力強く背中を押してくれ希望を与えてくれる。

今朝6月13日の『福井新聞』一面の「越山若水」は、次のように書いている。

メジャーリーガーに挫折、野球監督を務め選手たちに「大切なのは夢を追うことだ」とハッパをかけた。
すると「先生はなぜ諦めたの?」と逆に問い返された。
監督は再び夢を追い始め、35歳でメジャーのマウンドに立った。
高校時代からの夢を追い求め、65歳でCDデビューを果たした山田さん。
「強く願うことは大事。でも、動き出さないと何も始まらない」
シンガー・ソングライター竹島ピストルさんの「オールドルーキー」の歌詞。
「必要なのは走り続けることじゃない/走り始め続けることだ」

私は他人を励ますとき応援するとき、次のように声をかけたいと思う。

  自分に負けないで
  自分を信じて

2015.6.13




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