われわれは他人(ひと)を励ますとき、「頑張れ」と言うのが一般的である。 ところが、励まされた方はそのひと言で、はたして元気づけられるのだろうか。
テレビのニュース番組で観たことがある。 「わたしたちは頑張ってます。これ以上頑張れって言われてもどうすればいいんですか」 2011年の東日本大震災は、東北地方に想像を絶する被害をもたらした。 現地を訪れたマスコミの取材者に、被災者が悔しそうに答えていた。
『日本経済新聞』のスポーツ面に、「逆風順風」というコラム欄がある。 そこでプロ野球で投手・監督として大活躍した、権藤博が書いていた。 「監督がマウンドに駆け寄り、苦戦する投手に頑張れと励ましたって、そんなこと言われなくても頑張ってるよと反発されるだけだ」
岡本真夜の楽曲に、「TOMORROW」というヒット曲がある。 そのなかに次のような歌詞がある。
涙の数だけ強くなろうよ 風に揺れている花のように 自分をそのまま信じていてね 明日は来るよ どんな時も 明日は来るよ 君のために
どうだろうか。 この言葉は優しく語りかけてくるのだが、力強く背中を押してくれ希望を与えてくれる。
今朝6月13日の『福井新聞』一面の「越山若水」は、次のように書いている。
メジャーリーガーに挫折、野球監督を務め選手たちに「大切なのは夢を追うことだ」とハッパをかけた。 すると「先生はなぜ諦めたの?」と逆に問い返された。 監督は再び夢を追い始め、35歳でメジャーのマウンドに立った。 高校時代からの夢を追い求め、65歳でCDデビューを果たした山田さん。 「強く願うことは大事。でも、動き出さないと何も始まらない」 シンガー・ソングライター竹島ピストルさんの「オールドルーキー」の歌詞。 「必要なのは走り続けることじゃない/走り始め続けることだ」
私は他人を励ますとき応援するとき、次のように声をかけたいと思う。
自分に負けないで 自分を信じて
2015.6.13
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