選択的夫婦別姓について書いてきた。 すると、自分や子どもたちの姓名を振り返っている自分に気が付いた。
私は「神尾修二」という姓名が嫌いではない。 「修二」という命名について、母が話してくれたことがある。 父は「学(まなぶ)」にしようとしたらしいが、母が反対して修二に決めたとのことだ。 「修」という漢字には「まなぶ」の意があるから、母は次男であることも与して「二」の字と併せて修二にしたのだ。
修二という名前は、その音韻も悪くないし、何となく上品な印象がある。 苗字の「神尾」も、「神」という漢字が高尚だし、「尾」には山のすそのという意があるので神に通じるものがあり、なかなかいい。
北方謙三の小説に、「神尾修二」を主人公とした作品があるのをご存じだろうか。 その海洋冒険小説が面白く人気があるようだ。 神尾シリーズとして全6冊が発行されている。
幼き友よ、聞こえるか? 海が、おまえを呼ぶ声が。 男の喪失を身に にじませて ニューヒーロー 神尾修二、登場!
第一作の『群青』は1991.5.25発行で、本屋でその帯に衝撃を受け、パラパラとも開かず、レジに急いだことを覚えている。 帰ってから、発行元の集英社気付で作者の北方謙三に手紙を出した。
自分と同姓同名が小説の主人公になっている。 どうして主人公を神尾修二としたのか。 神尾修二は作者が考えついたのか。 それとも誰かのものを採用したのか。
35年後の今になっても返事は届かない。
私の二人の子は娘である。 名前は私が付けた。 誰もが読めるように。 誰もが馴染めるように。 「ひらがな」三文字にした。
文字を選ぶ場合、平仮名、片仮名、漢字の3つがある。 こんな国は日本だけではなかろうか。 韓国はハングル、中国は漢字、欧米などはアルファベットだけである。 3つの文字群から何文字かを選び名前にする。 わが子への想い入れをどう表現するか。 大変な作業である。
姓名判断に拘ったり、易断に頼ったりする親がいる。 縁起などを気にしたり、金まで出して他人に任せる。 自分の子ならその両親が自信を持って命名すべきだ。 それがわが子への最初の愛情表現のひとつとなる。
2026.2.27
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