漫画家の黒鉄ヒロシをご存じだろうか。 常軌を逸したギャグマンガが格段に面白い。
その黒鉄が書くのだから、エッセイもハチャメチャに面白い。 そんな作品に『まいにちクローガネ』(角川文庫)というのがある。 タイトルまで黒鉄″にかけてクローガネ″としているのだから、なかなかの芸だ。 その中の「危険な遊び」に腹を抱えて笑ってしまった。 笑い涙が止まらなくて困った。
何の解説も論評もいらない。 とにかく面白い。 読んでいただければ解るはずだ。
「危険な遊び」
麻雀の最中、S君が、チョンボしたとき、「ワァー! ハズカシイ! 穴があったら・・・・・・入れたい」といった カンジとタイミングが良くて、他にも続出し始めた。 マンガンを振る。 くやしい。 そこでひとこと。 「なんとしても、なんとしても、イチヤをむくいてやる」 一矢(いっし)の矢を「ヤ」と読むのである。 そのイチヤが、また変化をとげて、「なんとしても、なんとしても、イチヤを、イチヤを、あの人とむかえたい」
漢字を読み間違えて、会話の中に入れてみる。 例えば、境内(けいだい)とか、意図(いと)、案山子(かかし)である。 「お寺のケイナイを横切って畑に出ると、アンザンシが立っていた」 「そういうあなたのイズがわからない」 非常に危険な遊びである。 コイツアホか、と思われる一歩手前で遊ぶ訳である。
「清水(きよみず)」を「シミズ」とやってすぐさま、女性から注意された。 「ああ、キヨミズ・・・・・・だったんスか」 これでオシマイである。 お寺のケイナイでは、相手にも「ケイナイ」を連発され、もはや、とり返しがつかなくなり、こちらも最後までケイナイで通さなければならぬハメになった。
今、ことわざ間違いも検討中である。 「子はカスがいい」とか「石の上にも残念」とか。 子供にはバカにされ、女房にはケイベツされ、友には、あきれられる。 会社でやれば出世が止まる。 弁解しても、もはや聞いてはもらえない。
一人遊びの極致である。 これを男の遊びといわずして、なんというか。
◆今回はエッセイの体をなしていない。 恥ずかしながらお許しを願いたい。
◆蛇足ながら申し上げたい。 こんなにメンシロイ(面白い)本を読まないのは、絶対に損だと思う。
2026.1.12
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