■ 雪だ 家に籠(こも)る2025.12.6


先々日の4日、朝起きて窓を開けると、所々が白くなっていた。
初雪だ。
寒いかった筈である。
昨日の朝も、それ以上に白い雪が家の周辺を覆っていた。

今朝の冷え込みは半端ではなかった。
その寒さに早くに目が覚めてしまい、トイレを済ますと、枕元にある電気ストーブを点けた。
布団にもぐり込みグズグズしていると、やがて寝入ってしまった。
外が明るくなっていることに気づき、スマホで時間を確認すると9時を過ぎていた。
慌てて起きて布団を上げ、トイレ、洗面、朝食、着替えを済ますと10時だ。

急いで書斎の机に向かった。
そして今、パソコンを開き、このエッセイを書き出しているところだ。
書くべき材料は机上にあるメモにある。
走り書きで次のように書いてある。

「雪が降るような時期になると殆ど家に籠(こも)ることになる」

これだけである。
材料というより、種に過ぎない。
これで最低原稿用紙3枚、1200字のエッセイを書き上げねばならない。

5日前に便秘に苦しみ浣腸までして出した。
それと同じ苦しみを書くことで味わうことになる。
そんなことまでして何で書くことに拘るのか。
これまで何度自問自答したことか。

答えはいつも同じことに行きつく。
書き上げたときの達成感、充実感に尽きる。
苦しんで排便したときの達成感、解放感、安堵感に通じるものがある。

そこで机上のメモを手掛かりに、何かひねり出そうと思う。

雪が降るような時期になると、殆ど家にこもることになる。
朝の冷え込みに、温い布団から出る勇気が湧いてこない。
グズグズと朝の微睡(まどろみ)を楽しんでいると、ゴミ収集車のゴミを呑み込む唸り音が聞こえてくる。
8時だ。
近所の人が車で出勤していく。

布団の傍の座机に置いてある血圧計のスイッチを入れ、左腕のパジャマを上げ腕帯を巻く。
129以下なら良し、130以上だと不安がよぎる。
布団を上げると、トイレを済ませ、電気ポットに水を注ぎスイッチを入れる。
ご飯は6時半に炊き上がるようタイマー設定してある。

洗面を済ますと、好きなジャガイモの味噌汁を作る。
その間にフライパンで目玉焼きを焼く。
卵は2個だから文字通り目玉焼きだ。
白いご飯に熱いお茶、醤油をたらした目玉焼き、味噌汁はジャガイモに限る。
一日三度の食事、朝のご飯が一番旨い。

食器を洗えば、着替えをして、仏壇に手を合わす。
県外にいる娘や嫁に行った娘と孫たち、姉や亡き兄の娘たち、仲間たちの無事も祈る。
全部20人の無事を祈る。
最後に自分の無事と一日の充実を祈る。

洗濯物が溜(た)まっていれば洗濯機を回す。
洗濯物を干すと10時になってしまう。
ようやく書斎の机に向かいホッとする。

暖房の効いた自分の部屋にいるときが一番落ち着く。
早速パソコンを立ち上げ、メールをチエックする。
何十通も着信があるが迷惑メールばかりだ。
ところが、たまに重要なものがあるから油断はできない。

Word画面を開くとエッセイを書き、自分のホームページにアップする。
毎日1本を自らに課しているが、その継続が難しい。
書き上げるのに2時間以上を要する。
場合によっては4時間にもなることがある。
そんなときはヘトヘトになり、しばらく何も手に付かなくなる。

遅いお昼は簡単に済ませることが多い。
前日作って置いたカレーや残り物で食べることが殆んどだ。
食べながらパソコンで麻雀ゲームをして頭をほぐす。
食器を洗えばリラックスタイムとなる。

新聞2紙を丹念に読み、これはという記事は切り抜く。
切り抜きは、三月に一度ほどのペースでスクラップしている。
新聞を読み終えれば、蔵書のなかから選んだ本を読む。

窓に目をやれば、雪がチラチラついたりして恨めしい。
天気が良ければ、ウォーキンシューズを履いて、小1時間5000歩ほどを歩くのだが。
読み・書き・歩き・呑むの4拍子のリズムがここで途切れてしまう。
4時半になると机から離れる。

お風呂に湯を貯めながら、布団を敷き、晩御飯=独宴会の下準備をする。
トマトを切り、鯖の薄塩切り身をオーブンに置き、コップと箸をテーブルに出す。
風呂に防水カバーを付けた文庫本を持って入る。
小1時間、たっぷり汗をかく。

喉カラカラになって風呂から上がれば呑む=独宴会だ。
鯖を焼き、冷奴とトマトを並べる。
6時だ。
録画した好きなTV番組を観ながら、大きなコップでビールを呷(あお)る。
ウング! ウング! プッファー・・・
生きててよかった・・・

独宴会はダラダラと10時ごろまで続く・・・

2025.12.6




CGI-design