毎月、かかりつけの医院で、血圧と尿酸の薬を処方してもらっている。
三月(みつき)に一度は、血液検査の血を抜いてもらう。 その際、必ず痛い目に遭わされる。 治療で点滴を受けたことがあるが、余りにも痛いので看護婦を呼ぶと、針が血管ではなく筋肉に刺さっていたことが分かった。 その看護婦は「あらいけない」とつぶやくだけで、スイマセンのひと言もない。 この医院の看護婦のレベルの低さには困ったものだ。 以前通っていた医院では、採血や点滴で痛い目に遭うことなどなかった。 今の医院は家から近いので、仕方なく通っているだけのことである。
今月10日、その医院に行ってきた。 先月採血した血液検査の結果を告げられた。 いつもの如く、γGTPが高いから飲み過ぎないようにとの苦言をいただいた。 ところが、いつもと違って先生がひと声かけると、看護婦が何か手にしてやってきた。 それを見て驚いた。 まさかの、ノンアルコールビール350㎖缶ではないか。
先生は、診察机の引き出しから、おもむろに1枚の紙を取り出した。 それはビールメーカーのチラシだった。
おいしく賢く ノンアルコール飲料で 飲酒量コントロール!
毎日飲んでいるビールをノンアルに換(か)えて、「減酒しよう」「休肝日を作ろう」というものだ。 なるほど! これは「瓢箪から駒」、そんなやり方があったか! 衝撃を受けた。
確かに最近のノンアルビールは、普通のビールに遜色なく旨くなっている。 その見た目、味、喉越し、呑んだ後の爽快感、いずれも普通のビールと殆ど変わりない。 そんなノンアルビールを、節酒に活用しようというのだから、これは説得力がある。
ただ、呑み過ぎないよう注意されても、酒の害を告げられても、肝硬変で死ぬと警告されても、駄目だ。 酒呑みは、呑むことの言い訳の天才であり、一口呑んでしまえば、後は行き着くとこまで行かなければ止められなくなってしまう。
そんな酒呑みがショックを受けた。 目を開かされた。 その説得力に納得させられてしまった。
それにしても、医院でノンアルビールをサンプル処方″されるとは、夢にも思わなかった。 これを企画した会社とビールメーカーに、中小企業診断士として脱帽してしまった。 この戦略は、20歳未満やドライバーなど、各方面への販促戦略として市場拡大を可能にした。
医院からの帰り、さっそくいつものスーパーに向かい、ノンアルビール350㎖6缶パックを買った。
2026.2.16
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