私たちは人を見るとき、氷山の一角を見るように、その人のほんの一部分しか見ていないのではないだろうか。 第一印象で、どんな人かを決めつけていないだろうか。
我われが目にする氷山は、その氷塊の13%でしかないといわれている。 氷山の水面下には全体の87%が隠れていて、それが13%の氷山を支えているのだ。
氷山の一角、すなわち第一印象は、その人の13%を知るだけでしかない。 たったそれだけのことで、異性に一目惚れしてしまう。 たったそれだけのことで、その人の良し悪しを判断してしまう。
一目惚れした相手と、首尾よく交際が始まったとしよう。 その人の眼、表情、仕草のすべてが素敵だ。 その人と話し合っているだけで、幸せいっぱいになる。 その人の良いところしか、見えなくなってしまう。 やがて成るべくして成って、愛の指輪を交換する。
さあそれからである。 氷山の水面下、第一印象の奥に隠れていた、87%の本性を知ることになるのだ。 こんな筈じゃなかった。 こんな人ではなかった。 次から次へと、その人の知らないところが見えてくる。 良いところならいいが、悪いところばかり。
実は良いところもたくさんあるのだが、悪いところばかりが見えて、その良いところが見えなくなってしまっている。 良いところが当たり前のことで、感動を忘れてしまったのだ。 そんな自分に気が付かないのだから、始末に悪い。
他の氷山、他の異性が輝いて見える。 あの人の眼、表情、仕草のすべてが素敵だ。 あの人と話し合ってみたいと思う。 あの人とどうにかなってみたいと思う。
私たち人というものは、何と愚かで、悲しく、残念な、生き物だろう。
2026.1.10
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