昨日6日の福井新聞に、参院議員山谷えり子氏が永年在職25年で表彰された、との記事が出ていた。 その中で、山谷氏が北朝鮮による日本人拉致問題について、次のように誓ったと書いている。
「主権国家として全ての被害者を取り戻す。必ず解決する」
これを読んで頭に血が上(のぼ)った。 「全ての被害者を取り戻す」だと! 「必ず解決する」だと! 冗談ではない。 何を根拠にそんなことを断言するのだ。 一体だれに誓ったのだ。 国民を馬鹿にしているのか。
拉致問題担当大臣をやったにも拘らず、一人の被害者さえ取り戻していないではないか。 そんな立場の者がどの面下げて言うのか。 その言葉を聞いている拉致被害者の家族はどう思ったか。 その言葉を北朝鮮の拉致被害者が聞いたとしたらどう思うか。
そんなことにさえ気が付かない自分が恥ずかしくないのだろうか。 気が付かないから参院本会議という場で臆面もなく発言するのだ。
被害者はその家族は、その無責任さに呆れるどころか、気がおかしくなったとしか思わないのではないだろうか。 期待するどころか、無能としか思わないのではないだろうか。 北朝鮮の拉致問題に直面して、どれだけの年月が過ぎてしまったかということが分かっていない。
全ての被害者を取り戻す″といったって、既に亡くなっている被害者だっている。 被害者の家族だって、既に亡くなってしまった方が何人もいる。 必ず解決する″と断言するなら、その具体的な方策を示すべきだ。 いつまでに! どうやって! だれが取り戻すというのか。
「主権国家として全ての被害者を取り戻す。必ず解決する」
山谷えり子さん、あなたが取り戻すと誓うというのか。 本気でそう思っているのなら、簡単にそんなことは言えないはずだ。 無責任に考えているから、軽く口に出来るのだ。 それよりも何故、取り戻すことが出来なくて申し訳ない、と言えないのか。 拉致被害者の、その家族の苦しみを、人としてどう思っているのか。 この国に住む一人の国民として、一人の心ある人間として考えるべきだ。
身命を賭して、その決意を成し遂げる覚悟なら、あなたは死後、神として祀られることになろう。 そうではなく、誰かがやればいいと思っているのなら、あなたは死んでから虚言者呼ばわりされるだろう。
出来もしないで簡単に、そんな言葉を口にする元拉致問題担当大臣は、破廉恥以外の何物でもない。 破廉恥で、無責任で、無能だからこそ、口に出すことが出来るのだ。 それも参院本会議という厳粛な場でのことだから、ただただ国民を、被害者を、被害者家族を、愚弄しているとしか思えない。
そんな者が25年も議員に在職し、国会で表彰されるのだから、この国は何とも情けない。
2025.12.7
|