5回目「読めるかな? 書けるかな?」も植物である。
『読めない漢字の読本』 尚学図書・言語研究所 編集 小学館 発行 1990年7月20日
この本の植物編を読んでいると、食べられるものが多いのでとても楽しい。 植物はいいものだ。 成長する姿に励まされ、咲いた花を楽しんで、その実や葉や茎や根を食べて味わえる。 植物はありがたいものだ。
◆唐辛子(とうがらし)
唐辛子は私たちの食生活にはなくてはならないものだ。 特に熱いそばやうどんには欠かせない。 だから、誰もがこの漢字三文字は読めるし書けるだろう。 最近、唐辛子で気になることがある。 福井名物「越前おろし蕎麦」に唐辛子を振って食べる人がいることだ。 大根おろしそのものに辛みがあり、それが持ち味となっている。 それなのに唐辛子でそれを殺してしまう。 そんな人にはおろし蕎麦を食べる資格はない・・・と思う。
◆玉蜀黍(とうもろこし)
これは読めないし書けない。 お祭りの屋台で、醤油が焦げる香りに魅かれて「焼とうもろこし」を買ってしまう。 誰にでも経験があることだろう。 私が子どもの頃、わが家は畜産農家をしていたので、牛の飼料として「とうもろこし」を作っていた。 だから、茹でたり焼いたりして、いくらでも食べることができた。 「とうもろこし」ではなく「トウキビ」といっていた。
◆団栗(どんぐり)
どんぐりころころ どんぶりこ おいけにはまって さあたいへん″ お馴染みの「どんぐり」だが、読めても、漢字で書ける人は少数派だろう。 このどんぐりが不作の年は、熊や猿などの作物被害ばかりか人身被害が多くなる。 山に生きる動物には大切な食料なのだ。
◆茄子(なす)
福井に住む者は関西風に「なすび」という。 夏野菜のなすびは、母の浅漬け「扇漬け」が大好きだった。 みそ炒めも天婦羅も旨かった。 私は書くのも読むのもOKだ。
◆向日葵(ひまわり)
「向日葵」と書いて「ひまわり」と読む。 何てドンピシャリな命名だろう。 ただ疑問なのは「葵(あおい)」であるが、ひまわりはアオイ科の植物だからだ。 子どもでも読めたりするが、大人でも書けたりする人はどうかな。
◆葡萄(ぶどう)
いろんな種類があって甘くて、葡萄は身近で美味しいフルーツの代表格だ。 だけど漢字では読めてもまず書けない。 漢語はとかく難しい。
◆蜜柑(みかん)
ミカンも種類が多く日本人は大好きだ。 温州ミカンは、子どもの頃から何千個と食べてきている。 蜜(みつ)の字を使っているのが好感をもてるが、読むのは何とかなっても書くのは苦戦してしまう。
◆檸檬(れもん)
漢字の「檸檬」といえば梶井基次郎の小説を思ってしまう。 果物ならやっぱり「レモン」でなければならない。 読めても絶対(?) 書けない。 なぜこんなに難しい漢字になったのか。 檸檬は「ねいもう」と読み、中国でlemonを音訳したものらしい。
◆山葵(わさび)
刺身には欠かせないワサビであるが、読めても書くのは心細い。 山の渓流に育つ。 その葉が葵(あおい)の葉に似ているから山葵なったようだ。
◆蕨(わらび)
蕨のおひたしは私の大好物だ。 採るのも楽しみで毎年春が待ち遠しい。 そんな蕨だから当然漢字でも読めるし書ける・・・といいたいところだが、読めても書けない。
漢字は漢語からきているが、漢語には難儀させられるということだ。
今回で植物に関する漢字は終わりにしたい。 次からは違ったカテゴリーを選び紹介したいと思う。
2026.3.24
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