先々日の4日、朝起きて窓を開けると、所々が白くなっていた。 初雪だ。 寒いかった筈である。 昨日の朝も、それ以上に白い雪が家の周辺を覆っていた。
今朝の冷え込みは半端ではなかった。 その寒さに早くに目が覚めてしまい、トイレを済ますと、枕元にある電気ストーブを点けた。 布団にもぐり込みグズグズしていると、やがて寝入ってしまった。 外が明るくなっていることに気づき、スマホで時間を確認すると9時を過ぎていた。 慌てて起きて布団を上げ、トイレ、洗面、朝食、着替えを済ますと10時だ。
急いで書斎の机に向かった。 そして今、パソコンを開き、このエッセイを書き出しているところだ。 書くべき材料は机上にあるメモにある。 走り書きで次のように書いてある。
「雪が降るような時期になると殆ど家に籠(こも)ることになる」
これだけである。 材料というより、種に過ぎない。 これで最低原稿用紙3枚、1200字のエッセイを書き上げねばならない。
5日前に便秘に苦しみ浣腸までして出した。 それと同じ苦しみを書くことで味わうことになる。 そんなことまでして何で書くことに拘るのか。 これまで何度自問自答したことか。
答えはいつも同じことに行きつく。 書き上げたときの達成感、充実感に尽きる。 苦しんで排便したときの達成感、解放感、安堵感に通じるものがある。
そこで机上のメモを手掛かりに、何かひねり出そうと思う。
雪が降るような時期になると、殆ど家にこもることになる。 朝の冷え込みに、温い布団から出る勇気が湧いてこない。 グズグズと朝の微睡(まどろみ)を楽しんでいると、ゴミ収集車のゴミを呑み込む唸り音が聞こえてくる。 8時だ。 近所の人が車で出勤していく。
布団の傍の座机に置いてある血圧計のスイッチを入れ、左腕のパジャマを上げ腕帯を巻く。 129以下なら良し、130以上だと不安がよぎる。 布団を上げると、トイレを済ませ、電気ポットに水を注ぎスイッチを入れる。 ご飯は6時半に炊き上がるようタイマー設定してある。
洗面を済ますと、好きなジャガイモの味噌汁を作る。 その間にフライパンで目玉焼きを焼く。 卵は2個だから文字通り目玉焼きだ。 白いご飯に熱いお茶、醤油をたらした目玉焼き、味噌汁はジャガイモに限る。 一日三度の食事、朝のご飯が一番旨い。
食器を洗えば、着替えをして、仏壇に手を合わす。 県外にいる娘や嫁に行った娘と孫たち、姉や亡き兄の娘たち、仲間たちの無事も祈る。 全部20人の無事を祈る。 最後に自分の無事と一日の充実を祈る。
洗濯物が溜(た)まっていれば洗濯機を回す。 洗濯物を干すと10時になってしまう。 ようやく書斎の机に向かいホッとする。
暖房の効いた自分の部屋にいるときが一番落ち着く。 早速パソコンを立ち上げ、メールをチエックする。 何十通も着信があるが迷惑メールばかりだ。 ところが、たまに重要なものがあるから油断はできない。
Word画面を開くとエッセイを書き、自分のホームページにアップする。 毎日1本を自らに課しているが、その継続が難しい。 書き上げるのに2時間以上を要する。 場合によっては4時間にもなることがある。 そんなときはヘトヘトになり、しばらく何も手に付かなくなる。
遅いお昼は簡単に済ませることが多い。 前日作って置いたカレーや残り物で食べることが殆んどだ。 食べながらパソコンで麻雀ゲームをして頭をほぐす。 食器を洗えばリラックスタイムとなる。
新聞2紙を丹念に読み、これはという記事は切り抜く。 切り抜きは、三月に一度ほどのペースでスクラップしている。 新聞を読み終えれば、蔵書のなかから選んだ本を読む。
窓に目をやれば、雪がチラチラついたりして恨めしい。 天気が良ければ、ウォーキンシューズを履いて、小1時間5000歩ほどを歩くのだが。 読み・書き・歩き・呑むの4拍子のリズムがここで途切れてしまう。 4時半になると机から離れる。
お風呂に湯を貯めながら、布団を敷き、晩御飯=独宴会の下準備をする。 トマトを切り、鯖の薄塩切り身をオーブンに置き、コップと箸をテーブルに出す。 風呂に防水カバーを付けた文庫本を持って入る。 小1時間、たっぷり汗をかく。
喉カラカラになって風呂から上がれば呑む=独宴会だ。 鯖を焼き、冷奴とトマトを並べる。 6時だ。 録画した好きなTV番組を観ながら、大きなコップでビールを呷(あお)る。 ウング! ウング! プッファー・・・ 生きててよかった・・・
独宴会はダラダラと10時ごろまで続く・・・
2025.12.6
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