4日前の1月26日、『福井新聞』の読者投稿欄「こだまワイド」に、気になるものがあった。 その全文を紹介しよう。
――――――――――――――― 「直売市の売価は 自由な設定望む」 坂井市 男性(79歳)
広辞苑によると、直売とは「生産者が問屋、小売店などの中間者の手を経ないで、直接に消費者に売ること」とあります。 先日、生産者の方が「直売の品物は中間者がいないので生産者が直接値段を付けられて、自分たちは潤うのです」という趣旨を話されているのを見ましたが、少し違う? と思いました。
今の直売市はスーパーの値段とたいして差がなく統一されているようです。 出品者の中には売値を統一されるのを疑問に思う方がいると聞いています。 中間業者の取り分は消費者に還元(値引き)し、値付けは自由に、安くしたい人は安く出品できるシステムにはできませんか?
出品している生産者の方にお願いです。 品物は容姿端麗でなくても構いません、過度な包装もいりません。 いま一度、直売市の原点に戻って消費者のための値付けをしていただけると助かります。 ちなみに私は初めて家庭菜園を経験しました。 キュウリ2苗100円、ナス1苗150円で購入し、成果はキュウリ38本、ナス32個以上です! ―――――――――――――――
なかなか考えさせられる内容である。 ファーマーズマーケットの現状を鑑み、その問題点・疑問点を的確に捉えている。 投稿者が指摘するそれらを整理し、考えてみたい。
@直売は中間者がいない 卸売の中間者はいないが、JAなど小売りの中間者が介在している。
A生産者が直接値段を付け、スーパーの値段と差がなく統一 生産者はスーパーなどの価格を調査参考にし、値段を決めている。
B中間業者の取り分は値引きし安くできるシステムに JAなど小売りの中間業者の介在がなければ、直売市は成り立たない。
C容姿端麗も、過度な包装もいりません 消費者は多少の見た目の悪さや簡易な包装は許容するが、値段とのバランスを重視する。
D初めて家庭菜園を経験 キュウリやナスの値段には苗代金以外に、生産・収穫・出荷のための労賃、包装・値付け費用、納品・陳列の手間代、販売施設の償却維持費、販売レジ費用などが掛かる。
このように検討してみると、投稿者が望む「直売市」は、実現不可能だということが分かる。 「キュウリ2苗100円、ナス1苗150円で購入し、成果はキュウリ38本、ナス32個以上です!」 わざわざ、「!」エクスクラメ−ションマークまで使って訴えている。 苗代金250円のみの原価では、直売市が成り立つ訳がないのだ。
直売市=ファーマーズマーケットの良さは、地元の採りたて野菜や果物を安心して買えることに尽きるようだ。
2026.1.30
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