11月である。 秋最中・・・である。 秋最中のはず・・・である。
ところが、朝起きると窓ガラスが結露している。 セーターを出し丹前を羽織る。 まるで冬のようだ。
日の日中は気温が上がり、ウォーキングしていると背中に汗が滲む。 Tシャツ一枚になり帰ってくる。 まるで夏のようだ。
いったい穏やかで過ごしやすい、あの秋はどこへ行ってしまったのだろう。 気難しくなった恋人を持て余し、優しくて可愛かった頃に思いを馳せる。 ここ数年、11月はそんな日々になってしまった。
私が子どもの頃、11月の文化の日をからめた連休をシルバーウィークといって、4月から5月にかけてのゴールデンウィークのように位置付けることがあった。 ところが、シルバーウィークは定着しなかった。 ゴ−ルデンウィークのように温暖で浮かれ気分にはなれないからだろう。
穏やかな秋はあっという間に過ぎ去り、寒い冬が目の前に来てしまった。 狂った気象がそうさせるのだ。 朝目覚めるとスマホの天気予報を確認する。 晴マークが並んでいれば、さあ今日はあれをしてこれをして、どこかへ出かけようかとウキウキしてくる。 雨や雲マークだと気分が落ち込んで、なにもする気にならない。
そもそもが気分屋の自分にとって、その日の天気はその日一日を決める重要な条件となる。 晴マークがみごとに並べば、徹底した書斎派人間であっても外に出たくなるし、身体を動かしたくもなる。 電車に乗り遠出して、古い町並みを歩いたりするのはこんなときだ。 もちろん、机に向かってもさあ読むぞ″と本に集中するし、さあ書くぞ″といいモノが書ける。
雨と雲マークが並んでも、書斎派人間は何も困らず、本を読んだりモノを書いたりして楽しく過ごせる筈だ・・・。 ところが全くそれはない。
書斎に籠(こも)っていても、外がどんよりとし雨でも降っていようものなら、気分までどんよりとして、本を読んでも頭に入らず、モノを書いても集中できない。 結果、イライラして投げやりになってしまい、ザラツイタ一日を過ごすことになる。 大好きな酒も、天気次第で旨くも不味くもなる。
やはり秋は秋らしくあって欲しいものだ。 春夏秋冬! 四季あってこそ、生活をエンジョイすることができる。
2025.11.4
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