本棚に並んでいる本の背表紙を眺めていた。 すると次の本に目が止まった。
「唯川恵『男と女 恋愛の落とし前』新潮新書」
手に取ると帯に次のように書かれている。
35歳以下、閲覧注意! 男は世間体をとり 女は自分をとる 恋愛小説の名手が、大人の恋愛を一刀両断!
著者の、唯川恵は1955(昭和30)年生まれだから、私と3歳しか違わない。 直木賞作家で、コバルト・ノベル大賞や柴田錬三郎賞も受賞している。
この本は2023年10月発行だから、2年前に読んでいる。 本屋の新刊本コーナーで見つけた。 書名と帯コピーの衝撃的かつ過激さに、目が釘付けになってしまった。 迷わずレジに向かったものだ。
読み直してみたが、その衝撃度と過激度を、是非とも他人(ひと)に知ってもらいたくなった。 目次を読むだけで、言わんとすることが、教訓としてストレートに伝わってくる。 第1話から第12話で構成されている。
それぞれについて、感じたことをコメントしてみようと思う。 歳を重ねただけで、経験不足の自分にどこまでのことが書けるか。 自信はないが、文字に表すことで、自分の心の内が確認できるだろう。
第1話 不倫はするよりバレてからが本番 ――不妊治療後にセックスに目覚めた47歳
結婚20年の夫婦で、不貞原因の離婚の場合、慰謝料は100万から300万が相場らしい。 彼がバレないよう慎重だったのは、彼女のことを思ってではない、自分を守るためである。 男は社会的な生き物であり、夫として、父親として、会社員の立場を何より優先する。 どんなに恋とセックスにとりつかれても、ひとりの女でありたいという願望の代償として、何を失い、誰を傷つけ、ダメージはどれほどのものなのか、それらを自覚しておいて欲しい。
<神尾> 慰謝料が案外安いので驚いた。 それはそうとして、著者が指摘するように、確かに男は社会的な生き物である。 この本の帯にあるように、男は世間体をとり、女は自分をとるものだ。 男は常に外に向かって自分を置いている。 それに対して、女は内に向かって自分を置いている。 まさに表裏の違いがある。 そんな二人の間に何かの障害が生じれば、お互いが納得する解決策などある筈がない。 男は逃げようとするし、女は縋(すが)ろうとするに決まっている。 泥仕合になるのは目に見えている。
第2話 恋愛体質の女に近づいてはいけない ――「他人の男」を奪い続ける44歳
「私って恋愛体質なんです」 彼女は恋愛体質だけでなく、略奪癖もあるらしい。 彼女のような女を友人に持ったA子は、「やらない後悔より、やる後悔の方がマシ」と、不倫に走るのである。 不倫はバレ、夫から離婚を突き付けられ、多額の慰謝料を請求され、子供たちの親権監護権まで取られてしまった。
<神尾> 恋愛体質とは、要は男好きのことで、その男に飽きると、取っかえ引っかえ男を捕まえ、止めようにも止められない女のことだろう。 普通の女が、そんな恋愛体質の女の真似をしては駄目だ。 まともに生まれた者が、そうではなく生まれた者のようには、できる訳がないのである。 男にも同じことがいえる。 女なしでは身体が持たないと、女を追いかけまわすのに天才的な男がいる。 そんな奴の真似などしては、A子のような目に遭う。 身の程をわきまえるということだ。
第3話からは、次に譲ろう。
2026.2.7
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