今日8日の福井新聞、読者投稿欄「こだまワイド」で、これはいい!″作品を見つけた。 日頃、自分が心掛けていることを、ズバリ書いてくれているのだ。 思わず両手を打ち、右手を握るとガッツポーズをしてしまった。
――――――――――――――― 「娘に子育て教えられ」 Fさん(66歳)
娘は、現在4歳と1歳児の子育て中である。 通勤は50分かかり、いつも髪を振り乱して育児をしている。 ほとんどの金・土曜日は子供を連れて実家に帰ってくる。
ある10月の土曜日のこと、4歳の子は理由はわからないが「雪遊びをしたい」と言う。 バアバの私は、それは困ったと思い「雪がないのに雪遊びはできんわ」と即答した。 それを聞いていた娘のママは「雪が降ったら雪遊びやろうね」と子供を納得させていた。 「否定から入るより、肯定するほうが気持ちいいのに」と娘より注意される。 いつのまにか、すてきなお母さんになっている娘に驚かされる。
子育てと仕事と頑張っている世のお母さんに、そして娘にエールを送りたい。 「ファイト」 ―――――――――――――――
雪がチラつく初冬に、心温まる素敵な内容である。 ×「雪がないのに雪遊びはできんわ」 ○「雪が降ったら雪遊びやろうね」 ◎「否定から入るより、肯定するほうが気持ちいい」 この3つの言葉に尽きる。
私たちは他人(ひと)の言うことに対し、どのように応じているだろうか。 このバアバのように、いきなり否定してしまう、ことが多いのではないだろうか。 確かにその通りで、悪気はない。 ところが、悪気がない″というのが曲者なのだ。 悪気がないから、否定された相手の気持ちが分からない。 相手は自分まで否定されたように思い、反感を覚え不愉快になる。 こんなことを繰り返していては、互いの関係をギクシャクさせる要因になってしまう。
それよりもママのように、とりあえず肯定することだ。 相手の言うことを認め、その上でどうすればその通りに出来るか、を提案するのだ。 そうすれば二人の間で共感というものが生まれ、問題は解決され、同じ方向を見ることになる。 そうなればしめたものだ。 お互いの関係はスムーズかつ良好なものになる。
このことは、夫婦、親子、兄弟姉妹、身近であればあるほど、意識して心がけるべきだろう。 身近だから、本音をぶつければいいというものではない。 身近だからこそ、本音にオブラートを巻いて、優しく返すべきなのだ。
以前にも書いたことだが、自分が仲間とこの歳になっても仲良く出来ているのは、仲間同士の会話にあって、お互いを否定せず肯定しているからだ。 肯定が肯定を生み、スムーズな関係を築いてきたのだ。
上手く行かなくなった相手とは、無神経に発した一方の否定の言葉が、相手の否定の言葉を呼び込んでしまった。 さらに、否定が否定を生み関係が破綻したのだ。
夫婦、親子、兄弟姉妹、切っても切れない間だからこそ、細心の注意を払い肯定の言葉を交わすべきだろう。 切っても切れない間だから、という甘えや油断は禁物ということだ。
おそらく、このママに育てられた4歳と1歳の子は、思いやりのある人間関係をたくさん築いていくことだろう。
2025.12.8
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