■ 5人の女性に助けられた男2026.3.10


3月5日の『福井新聞』読者欄「こだま・ひろば」に、心温まる投稿が載った。

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「親切な声かけ 福井はすごい」
 越前市 男性 72歳

久しぶりに電動自転車で外出した。
コンビニで止めようとモタモタしていたら、2人の女性が車から出てきて、自転車をパンと手際良く止めてくれた。

帰りは少し雨になった。
油断した時、あっと言う間に横倒しになった。
2台の車から駆け寄って来てくれた方が自転車を起し「大丈夫ですか?」と声をかけてくれた。
「運動神経は良いからOKですよ!」という私の軽口に、安心して去って行かれた。

しばらく手押しで歩いていると今度はカサを持った女性が現れた。
「これを使ってください!」とカサを差し出された。

わずか2時間に、5人の女性に救援の声をかけられてしまった。
東京、大阪では考えられない対応である。
素晴らしい福井!
日本はやはりすごいぞ。

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これを読んでいて3つのことを思った。

一つは、5人もの女性の高齢者への優しい思いやりに、人間っていいもんだなと思った。
困っている人に思わず助けの手を差し伸べる、その自然な行為に神々しさまでをも感じた。
5人の女性たちは、助けるべくして助けたのであり、見返りを求めて助けたのではない。
もしそうだとすれば、それは人助けではなく、報酬を得ようとする自分のための行為になる。
そこには、優しさも、感動も、神々しさも、何もあったものではない。

二つは、ささやかではあるがこのような心温まる人たちの対極に、平穏な人々を一瞬にして地獄の苦しみに陥れる、戦争に狂ったならず者がいることである。
ならず者たちは自分だけは安全にいて、兵士や武器を将棋の駒のように動かし、あちこちに喧嘩をしかけその正義(?)を誇っている。
果たして世界の人々は、人助けをした心ある女性と喧嘩好きのならず者との、どちらに寄り添いたくなるだろうか。

三つは、5人の女性に助けられたのが、72歳の男性だということだ。
私は2歳上の74歳だが、この男性のように2時間の間に5人もの、しかも女性から、これほど助けの手を借りたことはない。
この男性は高齢化のスピードが速いのかも知れない。
実質的な年齢は、余程、上ではないかと思わずにはいられない。
だから、助けられて素直に感動するし、うれしくて投稿までするのだろう。
ひねくれ者の私は、実年齢より下に見られるのはうれしいが、上に見られて助けを受けるのは素直に喜べない。
可愛げのないジジイだと思うが、それを励みとしてあと10年、元気で生きていきたい。

2026.3.10




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