わが家の生け垣に山茶花(さざんか)の花が咲いた。 冬の到来を告げてくれる。 山茶花が好きで、生け垣にしてから40年になる。
写真に撮って、花が大好きな姉にLINEした。 「お〜キレイだね! 山茶花は花がポトンと落ちなくて良い! いっぱい咲いたら一輪下さい」 直ぐ返信した。 「どうぞどうぞ! いつでも いくらでもOKです」
娘たちにもLINEした。 二人は、この山茶花の花を毎年見て育った。 上の娘からは何のリアクションもなく、下の娘からは「イイね」の絵文字がきただけだ。 この花には何の思い入れもないようだ。
山茶花は素直に読めばさんさか″である。 それをさざんか″と読むのは、さんさか″が訛ったようだ。 俳句などでは冬の季語になっているらしい。 花言葉は愛嬌″永遠の愛″ひたむきな愛″ということだ。 見た目とは違い愛″をイメージしているのが意外で驚いた。
わが家の山茶花は紅色だが、白色や薄桃色、白と紅のまだら、もある。 私は紅色が一番好きだ。 わが家がそうだからというのではない。 山茶花の密集した濃い緑の葉には、濃い紅色が一等調和し引き立つからだ。 まさにひたむきな愛″を感じさせてくれる。
山茶花を歌った作品はいくつかあると思うが、大川栄策の「さざんかの宿」が大ヒットした。 私が30歳の頃ことで、同年配の人なら誰でも、口ずさむことができるのではないだろうか。
自分にとって山茶花といえば、童謡の「たきび」に尽きる。 二番の歌詞に山茶花が出てくる。
作詞 巽聖歌 作曲 渡辺茂
かきねの 垣根の まがりかど たきびだ 焚火だ 落葉たき あたろうか あたろうよ 北風 ぴいぷう 吹いている
さざんか 山茶花 さいた道 たきびだ 焚火だ 落葉たき あたろうよ あたろうよ 霜やけ おててが もうかゆい
こがらし 木枯し さむい道 たきびだ 焚火だ 落葉たき あたろうよ あたろうよ 相談 しながら 歩いてく
この歌は子供の頃を彷彿とさせる。 北風に吹かれ、霜やけになった手をポケットに突っ込み、学校に通ったことを思い出す。
あの頃、村に山茶花がある家はなかったが、椿の花ならどこの家の背戸にも咲いていた。 好きな花だった。 ところが椿は生け垣には不向きだし、姉が言うように花がポトンと落ちるから、縁起が悪いとされている。 だから山茶花の生け垣にした。
今年も山茶花の花が咲く季節がやってきた。
2025.12.2
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