漫画家黒鉄(くろがね)ヒロシのエッセイ集、『まいにちクローガネ』(角川文庫)の魔力に取り憑かれてしまった。 いいかげんに止めようと思うのだが、これがどうしても止められない。
面白いものは面白い。 好きなものは好きだ。 無理して止めることはない。 そうだ、止められないのなら、止めないでいいではないか。 そこで今回も、第5弾、「童話」と「焼売と春巻」の2作を、自信を持って紹介しよう。
「童話」
犬がここ掘れワンワンという。 じいさんが掘る。 何も出てこない。 また犬が吠える。 ここ掘れワンワン。 何も出てこない。 とうとう頭にきたじいさんが犬にかみついた。 犬がいう「ハナサンカジジイ」
竜宮城から浦島太郎が帰ってきた。 もとの住処(すみか)をたずねたが戸がしまっている。 ドンドン叩くがあかない。 すると中から「ウラシマッタロウ、おもてにまわれ」
鬼を退治したのち、桃太郎チームと鬼チームで親睦のための野球の試合がおこなわれた。 桃太郎チームはエラー続出である。 しかしさすがは桃太郎、ファインプレイをやってのける。 拍手の中で桃太郎がいう「どうだ、よくモモッタロウ」
「焼売と春巻」
近所に客の全然入ってないラーメン屋がある。 他人(ひと)ごとながら心配である。 客をひきよせる方法はないかと考える。 シューマイとは漢字で焼売と書く。 ハルマキは春巻である。 ラーメン屋に天婦羅は不自然だが、客寄せのため、メニューに加える。 看板を出す。 美味しい焼売春巻天婦羅あります。 この看板の「美」「しい」「売」「春」「婦」を朱で大書きする。 客が集まってくる、と思う。
◆文句なく面白い。 落語と同じだと気が付く。 最後に必ず落ちがあるのだ。 しかも、その落ちようが想像を絶する。
◆蛇足ながら申し上げたい。 いい加減、他人(ひと)の本をネタにして書くのは止めよう。 手抜きをしている、と思われてしまうではないか。 お前は自分のネタがなくなったのだろう、と思われてしまうではないか。 決してそんなことはない。 ネタなどいくらでも持ち合わせている。 ただ、それを取り出すのが面倒なだけだ。 それを文章にするのが面倒なだけだ。 アハハ・・・・・・。
2026.1.18
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