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押印と捺印の違い  2005.6.20


押印と捺印はどう違うのか、という質問を受けることが間々あります。
確かに私たちはそれぞれの用語を何気なく使っていますが、今一度その意味を確認してみる必要があるかも知れません。

<押 印>

@法律用語辞典(有斐閣)
書類等の作成者が作成者自身の意思によること又は作成者の責任を明らかにするために、作成者又は責任者の印を押すこと。
口語体が採用される前の法令では、「捺印」の語が一般に用いられていた。
法令上国民又は公の機関に対して押印を義務づけている場合があるが、このような法の明文がない場合でも、周知のように、わが国の社会生活の実際では、作成された書類の責任を明らかにするについては、署名(自署)に加えて、又は署名の代わりに、押印を要求されることが少なくない。
たとえば、商法では、記名捺印をもって署名に代えることが一般的に認められている。

A広辞苑(岩波書店)
印判を押すこと、捺印

B明解漢和辞典(三省堂)
押捺・・・印判をおすこと
押・・・・力を入れておしつける
甲・・・・おおう

<捺 印>

@法律用語辞典(同)
押印に同じ。

A広辞苑(同)
印判をおすこと、又はおした印

B明解漢和辞典(同)
捺・・・・オす、手で押さえつける
奈・・・・いかが、なに、なんぞ
               
<結 論>

「押」と「捺」を手偏と分解すれば、「おおう」という行為と「いかが」という効果の違いが見られる。
しかしながら、結論としては押印と捺印は同意であり、特に相違はない。